3月の空と暮らす~春は三寒四温 喘息の発作に注意~

春は、気温変化が大きい季節。この時期に気を付けたいのが、喘息の発作です。今月は、小児科医吉田先生の監修のもと、喘息を引き起こす気象条件や、ケアの方法をご紹介します。

3月の天気は「三寒四温」

日本付近へ流れ込む寒気がパワーダウンをはじめ、等圧線が縦じまの冬型の気圧配置が続かなくなります。すると、日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過するようになります。低気圧の通過に合わせて雨が降り、日本海を進むコースの場合は、暖かい南風が吹き込むためグッと気温が上がります。低気圧が通過すると北風に変わり、気温が急降下し、冬が戻ってきたかのような寒さになることも。その後は、高気圧に覆われて晴天に恵まれ、次の低気圧の接近まで暖かい日が続きます。「三寒四温(さんかんしおん)」という言葉があるように、”寒い日が3日間ほど続くと、その後は4日間ぐらいは暖かい日が続く”という特徴があります。

喘息を引き起こす気象条件

喘息は、寒暖差が原因のひとつとなり発症する気象病です。喘息の発作は、気温の低下、特に前日より気温が下がる場合に発症しやすいという研究結果があります。
実は、筆者も小児喘息を患っていました。成人してからは発作を起こすことはほぼ無くなりましたが、子供の頃は、季節の変わり目によく発作を起こしていた記憶があります。
ご自身やお子様が喘息の持病をお持ちの場合は、気温がガクッと下がっているかどうか、天気予報をチェックしてみて下さい。

また、今の時期は、花粉も症状を悪化させる要因のひとつと言われています。花粉を室内や身体の中に持ち込まないよう、しっかり対策をしましょう。

子供の発作時に役立つケア

ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴以外に症状が見られない場合は、お家で様子を見てあげましょう。病院で処方された気管支拡張剤がある場合は、服用します。もし薬がない場合は、身体を起こしてあげたり、常温かぬるめのお湯を飲ませたりすると、症状が緩和されます。

顔色が悪い、ぐったりしている、呼吸が苦しく眠れそうにないといった症状の場合は、すぐに病院を受診しましょう。夜間・休日の場合も、救急病院に受診をおすすめします。

また、喘息の発作には、日頃のケアも大切です。小児喘息の原因の70~90%は、ダニやハウスダストなどのアレルギーと言われています。こまめに掃除をし、日々の生活の中からアレルゲンを取り除いてあげましょう。

 

論文 石崎 達. ほか. 気管支喘息発作と気象要因の解析.
日本アレルギー学会. (1974) vol.23, no.11, p.753-759, 778.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/23/11/23_KJ00001615275/_pdf/-char/ja

日本内科学会雑誌 第107巻第10号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/107/10/107_2059/_pdf

厚生労働省 リウマチ・アレルギー対策 第三章
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07.pdf

<監修>吉田邦枝先生【小児科医】
東京医科歯科大学医学部卒。同大学小児科学教室に入局、関連病院で研修後、子育て期間を経て、現在は東京都内、埼玉県内のクリニックに勤務。日々こどもの診療に奮闘中。自然科学全般に興味があり、気象予報士の資格も取得。