厳しい寒さ続きとなっていますが、春が待ち遠しいですね!桜開花で重要なカギを握る「休眠打破」の解説と、前々シーズン2021年と前シーズン2022年の桜開花について振り返ってみます。
「休眠打破」ってなに?
桜のつぼみは、秋から冬の寒さによって目を覚まします。これを「休眠打破」といい、その後、晩冬から春先の暖かい日が続くことで、つぼみが生長し、花を咲かせます。秋から冬が暖かいと、休眠打破が不十分で、桜のつぼみが寝ぼけたような状態となります。寝ぼけた状態が続いてしまうと、春先の気温が高くても開花が遅れることがあります。逆に、秋から冬の冷え込みが厳しいと、休眠打破がしっかりと行なわれて、春先の生長 が早まることがあります。また、一気に開花し、きれいに咲き揃うともいわれています。
・休眠打破は一日の平均気温が10℃を下回る頃から行われている地域が多い
・春先の気温に対する感度は、福島県以北で一段とよく、つぼみの生長も早い
ことが分かっています。
【桜の開花・満開状況の振り返り】春の立ち上がり遅れにより前々シーズンより遅い開花に
ここで一昨年2021年シーズンと昨年2022年の桜の開花・満開状況を振り返ってみます。
一昨年2021年シーズンは?
広島など「記録的な早咲き」となった前々シーズン2021年。2021年はメリハリのある気温で、1月中旬まで寒い冬、1月下旬以降は気温が平年より高く、休眠打破がしっかり行われたうえ、桜のつぼみの生長が早かった と思われます。
2021年1~3月の平均気温(気象庁より引用)
2022年シーズン冬と春の特徴は?
2021年秋以降、再びラニーニャ現象が発生し、冬の平均気温は東・西日本で低くなりました。一方、3月の気温は西日本でかなり高く、北・東日本でも高温となりました。
気温経過から2月下旬以降、休眠打破の完了後、春先の暖かさで、つぼみの生長が進んだと見られます。2021年に比べると、春の立ち上がりが遅れたことにより、2022年シーズンの桜開花は、平年よりも早いものの、一昨年 2021年より5日前後遅かった所が多くなりました。
2022年 1~3月の平均気温(気象庁より引用)
<参考・引用>
気象庁 エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/elnino_table.html
気象庁 地域平均気温経過図
https://www.data.jma.go.jp/cpd/db/longfcst/regtemp.html