連載記事「そらトレ(空とトレーニング)」では、日々の天気を楽しみながら行えるように手軽に行えるランニング、宅トレなどのやり方などをご紹介しています。1月は正月太りを解消するために、仕組みと対策を知って、身体を元に戻していきましょう。来月2月は、なわとびを使ったダイエットをご紹介していく予定です!
正月太りの原因
正月太りを解消するために、まずは正月太りの原因を確認していきましょう。
原因は三つ考えられます。一つ目は、飲食です。年末年始の時期は、会社の同僚や友人、親戚などと会食する機会が増え、飲食をする頻度が多くなります。お酒にはもちろんカロリーがありますし、年始の定番のお餅はもち米を使っており、普通のごはんよりも高カロリーなんです。切り餅2個でおよそご飯一杯分のカロリーと同じになります。ついつい食べ過ぎてしまいがちです。
次に運動不足です。寒さが厳しくなるこの時期は運動量が減り、特に年末年始はお店が閉まることで外に出る機会も減ってしまいます。
三つ目は生活リズムの乱れです。年越しをする際は夜更かしをすることが多く、睡眠時間が減ったり、動いてカロリーを消費する日中に、こたつで寝てしまったりと普段の生活リズムがくるってしまいます。このような原因があり、正月太りという結果で現れるのです。
冬と代謝の関係~実は冬は痩せやすい時期~
そんな正月太りの原因が多い冬ですが、実は、痩せやすい時期と言われているんです。下のグラフを見てください。月別の基礎代謝(普通の生活をしているだけで消費される代謝)を研究した論文のデータを集計したものです。
このデータによると1月にかけて基礎代謝が低い時期に比べて約10%増加します。一日2,000kcal消費する生活を行っている人が冬は2,200kcal消費することになります。これは、気温自体が低く、体温を維持するためにより多くのエネルギーを消費することが影響していると考えられます。
このため、冬こそ効果的に痩せるチャンスなんです。逆にここで痩せなければ身体は寒い冬を乗り切るためにどんどん脂肪をため込もうとするため、食べた分だけ太った状態で春を迎えることになります。
食事のバランスを見直そう
正月太りを解消するために、まずは食生活を見直しましょう。年末年始は飲食のバランスが崩れることで、余分な脂肪などを摂取してしまいがちなので、一日の食事のバランスに注意をしましょう。「PFCバランス」という言葉があります。PはProteinでタンパク質、FはFatで脂肪、CはCarbohydrateで炭水化物を表しており、食事のバランスを指しています。標準的な一日のPFCバランスの例を下の図にまとめました。
脂肪(F)は揚げ物やお菓子、炭水化物(C)はご飯や麺類、お餅などに多く含まれており、これらは摂り過ぎで脂肪として身体に蓄積されます。ポテトチップスなどは美味しいですが、脂質の割合が高く、食べられないわけではありませんが、一日のほかの食事で調節が必要です。バランスを意識すると、余分な脂肪がつきにくく、体調が改善することもあります。
ストレッチで気になるお腹を引き締めよう!
すでに正月でついてしまった脂肪をなるべく早く落としたいという方は、自宅で簡単にできるストレッチをしてみましょう!今回は、簡単なものを2つご紹介します。
①ポッコリお腹の解消~プランク~
プランクはインナーマッスルと呼ばれる腹筋の中の筋肉を刺激することができ、手軽なわりに皮下脂肪の燃焼効果や立ち姿の美しくなる体幹の強化といった効果が期待できます。
肘を肩の真下について、お尻が上がり過ぎないように気を付け、身体が一本の棒になったように意識してキープしましょう。
20~30秒を3セット目標に行いましょう。
②寝ながらできちゃう筋トレ~レッグレイズ~
レッグレイズは腹直筋下部を鍛えるトレーニングで、下っ腹と呼ばれる部分。「ビール腹」で悩むあの部分をメインに鍛えることができます。しかも寝ながら行うことができます。夜、布団に入ってからでも間に合います!
床に寝た状態で行います。頭は地面につけたままでも大丈夫です。両足をそろえた状態で、脚をあげていきます。
この時写真は垂直まで上げていますが、これより低くてもOKです。ただ、これ以上は腰に負担がかかるので、上げないでください。その後、脚をゆっくり下ろし、地面より少し上で止めます。そしてまた上げる動作を繰り返しましょう。この時お腹の筋肉を使う意識を忘れないようにしてください。
自分のペースで30秒を2~3セット目標に行いましょう。
いかがでしたでしょうか。1月は年末年始の飲食や夜更かしにより太りやすい時期ですが、食事のバランスに気を付け、簡単なストレッチを行って正月太りを解消していきましょう。次回2月は冬の定番「なわとびを使ったダイエット」を紹介していく予定です。
<参考および引用元>
石井直方「筋肉の機能・性質パーフェクト辞典」(2020年3月)
女子栄養大学出版部「栄養と料理2018.2月号」(2018年1月)
島岡章他「基礎代謝の季節変動について」(日生 気 誌24(1):3-8,1987年):
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho1966/24/1/24_1_3/_pdf
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書:
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html