寒さの本番はこれから!「冬至」の風習で冬を乗り切ろう!

今日12月22日(木)は二十四節気の「冬至」。年間で最も昼間の時間が短くなります。暦の上では、冬の真ん中になりますが、寒さのピークはこれからとなるため「冬至冬なか冬はじめ」ともいわれています。冬至には、寒さが本格的に厳しくなる前、体調を整えるための風習が数多く残っています。このコラムでは、冬至が寒さのピークとならない理由と、冬至の風習についてお伝えしていきます!

冬至冬なか冬はじめ!寒さの本番はこれから

12月から2月の東京都心の気温をみてみましょう。下のグラフは東京の平年の平均気温と最高気温、最低気温を示しています。


気象庁データをもとに筆者が作成

東京都心の冬至の日照時間は、昼間の時間が長い夏至と比べると、およそ4時間40分も短くなります。これから春夏に向けて、日照時間が少しずつ長くなりますが、寒さのピークは約1か月後の1月中旬から下旬に迎えます。東京都心だけではなく、ほかの全国各地も寒さの底はこれからとなります。
なぜ、1か月ほど遅れて、寒さのピークがやってくるのでしょうか?その秘密を簡単に説明すると、地球の陸地と海洋の比率が影響しています。地球のおよそ7割は水が占めていて、水の熱の伝わる時間は陸地よりも時間がかかることが原因です。お料理で例えると、フライパンを温めるときよりも、鍋でお湯を沸かすときの方が、時間が掛かりますよね。それと同じことが地球では起きているんです。冬本番は、これからということで、冬至の風習で寒さを乗り切りましょう!

冬至かぼちゃに年を取らせるな

冬至を代表する食べ物といえば「かぼちゃ」ですよね。家庭菜園などで、かぼちゃを育てたことがある方は、収穫時期が夏なのに、なぜ今ごろと感じるかもしれません。実は、かぼちゃは採れたてよりも、寝かせた方が美味しさは増すんです。数か月間、常温で保管して、追熟をすると、甘さや栄養価も増えて一石二鳥です。ただ、いくら長期保存ができるとはいえ、「冬至かぼちゃに年を取らせるな」とあるように、年越ししてしまうと傷んで栄養価も落ちてくるようです。なるべく年内に食べましょう。

冬至にかぼちゃを食べる理由は諸説ありますが、「いろはにほへと」と続く、いろは歌の最後の文字である「ん」のつく食べ物を食べて、運を良くするといわれています。「かぼちゃ」という言葉自体には「ん」が入っていませんが、西日本を中心に「南瓜(なんきん)」と呼ばれることもあり「ん」の2つ入る縁起の良い食べ物として有名です。ほかにも、「蓮根(れんこん)」「人参(にんじん)」「銀杏(ぎんなん)」「金柑(きんかん)」「寒天(かんてん)」「うんどん(うどん)」と併せて、「冬至の七草(七種)」とも呼ばれています。冬至の七草を食べると風邪をひかずに過ごせるともいわれています。

ゆず湯に入る習慣はいつから?


冬至といえば、ゆずを浮かべたお風呂を連想する方も多いと思います。ゆずは、1000年以上前の奈良時代に日本に渡来したと考えられています。最近では、岩手県でブランド化されるなど、柑橘の中でも、比較的寒さに強い品種です。
ゆず湯は、銭湯ができた江戸時代から楽しまれ始めたといわれています。ゆず=「融通が利く」、冬至=「湯治(とうじ)」の語呂合わせから冬至にゆず湯に入るともいわれています。また、運気が上昇に転じる日「一陽来復」と考えられ、厄払いとしてゆずをお風呂に入れるようになったという説もあります。
今夜は、冬至の七草を取り入れたメニューや、ゆず湯に浸かって、身体を芯から温め、冬を乗り切る準備をしましょう!

二十四節気とは

今回「冬至」をご紹介しましたが、二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」とそれらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大寒」や「雨水」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。今回の「冬至」の次は、年明け1月6日前後の「小寒」になります。

<参考>
気象庁 過去の気象データ検索
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

国立天文台 令和4年(2022)暦要項
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2022/rekiyou222.html

国立天文台 令和5年(2023)暦要項
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2023/rekiyou232.html