冬は空気が乾燥して肌が荒れがちですが、乾燥で荒れるのは肌だけではありません。唇がカサカサしたり、ひび割れしたりして、お困りの方はいませんか?
ここ数年はマスクを着用している影響で、唇がより荒れやすくなっています。このコラムでは唇の荒れる原因やケア方法をご紹介します。
唇が荒れる原因とは
唇の荒れる原因には「乾燥」や「摩擦」、「加齢」、「紫外線」などがあります。
唇の悩みでは、特に乾燥を挙げる方が多いのではないでしょうか。唇は皮脂膜がほとんどなく、角質層も薄いため、肌と比べて水分が失われやすくなります。それに加えて、気温の下がる冬は空気が乾燥し、空気中の水分量が少なくなりますので、外的な要因でも唇がかさつきやすくなります。
冬に空気が乾燥する理由は、こちらのコラムで紹介しています。
また、マスクは摩擦の原因となり、唇には悪影響です。クレンジングや唇を舐めるのも刺激となり、唇の皮を剥いてしまうのはNGです!さらに、年齢を重ねるごとに唇は老化して薄くなり、紫外線の強い時期は日焼けのダメージも受けます。
唇はターンオーバーが早い!
唇はデリケートなパーツですが、肌に比べてターンオーバー(肌の生まれ変わりのサイクル)が早いのが特徴です。一般的に、肌のターンオーバーが約28日なのに対し、唇は3~4日程度です。つまり、荒れてしまってもきちんとケアをすれば回復も早いんです。加齢によってターンオーバーは遅れてしまったりもしますが、まずは早い段階でケアすることが大切です。
リップケアのポイントは?
それでは、潤いのある唇を保つにはどのようなケアをするのがよいのでしょうか。今回は手軽に始めやすい3つの方法をご紹介します。ぜひ習慣にしてみてくださいね。
① 用途にあわせたリップクリームを縦方向に塗る
市販のリップクリームには、医薬品と医薬部外品(薬用)、化粧品がありますので、唇の荒れ具合で使い分けてみてください。ひび割れや炎症の治療には医薬品を、予防であれば医薬部外品を選ぶとよいでしょう。化粧品は保湿力を重視したものが多く、普段使いにおすすめです。
また、リップクリームを塗るだけでも摩擦が起こってしまいますので、頻度は少なめにしましょう。塗る方向は横ではなく、唇のシワに沿って縦です。
② 夜はパックでスペシャルケアをする
唇用のパックも売っていますが、手軽で継続しやすいのがラップを使ったパックです。お風呂上がりにすぐワセリンを塗り、その上からラップをしいて密着させて、時間を置きましょう。効果を上げるには、さらにホットタオルをのせるのもおすすめです。
長時間の放置・やりすぎはNGです。時間は5分ぐらい、週1〜2回程度を目安にしましょう。
③ クレンジングによる摩擦をなるべく防ぐ
唇は皮膚に比べて薄くてデリケートなため、クレンジングによる摩擦も悪影響です。
ゴシゴシ擦って落とすのではなく、優しくクレンジング剤を滑らせ、短い時間で洗い流しましょう。
<参考>
・池田敏秀「Fragrance Journal 20(4)」P14-21 (1992)
・友木依里子「Fragrance Journal 47(2)」P25-30 (2019)
・「化粧品事典」 日本化粧品技術者会 2003年