12月の空と暮らす~日照時間と幸せホルモン「セロトニン」~

早いもので今年も残すところ1か月となりました。クリスマスの準備や年末へ向けての大掃除、お子様がいらっしゃるご家庭は冬休みの計画など、バタバタと慌ただしく時間が過ぎていく時期ですね。
今月は「日照時間と幸せホルモンと呼ばれるセロトニン」がテーマです。

「冬至」を迎え、太陽が生まれ変わる

「冬至」は「一年の中で最も昼が短く夜が長い日」。今年2022年は12月22日です。
太陽の力が弱まっていますが、冬至を境に再び太陽の力が強まっていくとも考えられ「太陽が生まれ変わる日」とも捉えられています。

昼が短く夜が長い、つまり日の出の時刻が遅く日の入りの時間が早い、という訳なので、日本各地の冬至の日の出・日の入りの時刻をご紹介致します。

札幌日の出 7:03日の入り 16:03
仙台日の出 6:50日の入り 16:20
東京日の出 6:47日の入り 16:32
名古屋日の出 6:57日の入り 16:44
大阪日の出 7:01日の入り 16:51
広島日の出 7:13日の入り 17:04
福岡日の出 7:19日の入り 17:15
那覇日の出 7:13日の入り 17:43

 

日の出から日の入りまでの昼間の時間は、全国的に9~10時間です。
最も昼間の時間が長くなる夏至と比較してみると、およそ5時間も短くなっています。

日照時間の短さがウィンターブルーを引き起こす一つのきっかけに

冬は、憂鬱な気分になったり、やる気が起きなくなったりと、不調を感じる方が増えると言われています。ウィンターブルー(冬季うつ)と呼ばれ、主な原因は、日照時間の短さ、つまり日照不足にあると言われています。

全国主要都市の冬(12~2月)の日照時間の30年平年値を見てみると、太平洋側の地域より日本海側の地域の方が、冬の日照時間が短い傾向にあることがわかります。日本海側の地域では、雨や雪の降りやすい日が多いためです。

札幌275.7時間
新潟195.2時間
仙台440.4時間
東京538.4時間
名古屋520.5時間
大阪438.3時間
福岡338.8時間

 

私たちの身体は、日の光を浴びると、脳内にセロトニンという神経伝達物質の分泌を始めます。このセロトニンは、感情をコントロールしたり、精神を安定させたりする働きがあり「幸せホルモン」とも呼ばれている物質です。

冬季は、昼間の時間が短くなるため、セロトニンの分泌が低下しやすく、この影響が不調として現れてしまいます。雨や雪の降りやすくなる日本海側の地域では、より気を付けたいですね。

ウィンターブルーを防ぐには

①できるだけ日光を浴びよう
天気予報を確認し、晴れ予報の日はなるべく外で日の光を浴びましょう。セロトニンは、朝に浴びた光の影響で分泌が促されるため、在宅勤務などで外に出る機会が少ない場合は、天気に合わせて買い出しや散歩へ出かけたり、洗濯物を外干しすると良さそうです。

②トリプトファンを摂ろう
セロトニンを脳内で生成する原料は、必須アミノ酸の一つトリプトファンです。必須アミノ酸は体内で合成ができないため、栄養分として食事などから摂る必要があり、トリプトファンが体内に少なくなってしまうと、せっかく日光を浴びてもセロトニンの分泌が低下してしまいます。


トリプトファンが多く含まれる食材には、バナナ・チーズ・豆乳などがあります。
ヨーグルトにバナナを足す、カレーにチーズを乗せる、ラテを豆乳ラテにするなど少しの工夫でトリプトファンを摂ることができそうですね。

日々の食事の中に積極的に取り入れ、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促し、ハッピーな冬を過ごしましょう!

 

参考
国立天文台 各地のこよみ
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/

厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-074.html

ナショナルジオグラフィック 日本版 連載
睡眠の都市伝説を斬る! 第14回 もっとバナナ を! 冬季うつの自己治療
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141224/429794/?P=1