ビーバームーンとは
ビーバームーンという言葉を聞いたことがありますか?ビーバームーンとは11月の満月のことを言います。なぜ11月の満月をビーバームーンと呼ぶかというと、諸説はありますが、アメリカの先住民が由来となっています。アメリカの先住民は11月頃になると、冬に向けて毛皮を作るためにビーバーを捕獲する時期だったそうです。また、彼らは生活する上で月の満ち欠けを目印にして行動していたため、11月の満月を表すビーバームーンという呼び名が広まったとされています。
今年のビーバームーンは特別
今年のビーバームーンは、いつもの満月と姿が違い、皆既月食になるのです!実は、昨年2021年のビーバームーンも日本で月食が発生したのですが、その際は月の一部が欠ける部分月食でした。しかし、今年は月全体が欠けて暗くなる皆既月食ということで天体イベントとして盛り上がることでしょう。
皆既月食のメカニズム
今年のビーバームーンは皆既月食になりますが、ここで月食について説明していきます。月食とは、太陽と地球と月が一直線に並ぶ時、月が地球の影に入ることで月が暗くなったり、欠けたりするように見える現象をいいます。この時に、月の一部が欠けて見えると部分月食、月全体が影にすっぽりと覆われて暗く見えると皆既月食になります。
なお、皆既月食が起こっている時は、月は真っ暗になって見えなくなるわけではなく、赤っぽい色に見えます。これは、太陽の光と地球の大気が関係しています。太陽の光が地球の大気を通過する時に、波長の短い青い光は空気中で散乱されてしまいます。一方、波長の長い赤い光は散乱されにくく、地球の大気を通過することができます。実はこのメカニズムは、夕焼けが赤く見えることと一緒の理由なんです。この赤い光が皆既月食中の月面を照らすことで、赤っぽく見えるのです。
今年の皆既月食は好条件!
今年のビーバームーンの皆既月食は、日本全国で見ることができます。東京では18時8分頃から月が欠けはじめ、19時16分頃から皆既月食となります。その後20時42分頃まで皆既月食が続き、21時49分頃に月食自体が終了します。皆既月食になる時間は約1時間26分続くので、ゆっくりと観察することができます。
天王星食も同時に観測可能!
今年の11月8日は、皆既月食だけではなく天王星食も起こります。天王星食とは、月が天王星を隠す現象をいいます。この天王星食ですが、全国的に見ることができ、東京では皆既月食が終わる直前の20時41分頃に発生します。その後21時22分頃に天王星が月から出現します。天王星は月のすぐそばに見えるため、普段の満月の時は月の明るさで見えづらくなってしまいます。しかし今年は、月食によって暗くなるため比較的天王星が見つけやすくなります。皆既月食と天王星食が同時に起こるのは大変貴重なので、ぜひ双眼鏡や望遠鏡を使って観測してみましょう。
皆既月食の観測の仕方
ここで、皆既月食の観察の仕方を説明します。月食は太陽が欠けたように見える日食とは違って肉眼で見ることができます。特に、双眼鏡や望遠鏡を使うとより大きく見られるのでオススメです。また、三脚を使って望遠鏡やカメラを固定すれば、手ぶれせずに観察することができます。夏とは違い空気も比較的澄んでいるため、綺麗に見られる可能性が高いです。条件が良いため、ぜひ「そらくら」で天気予報をチェックして夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。
参考
国立天文台 月食とは
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html
国立天文台 皆既月食・天王星食(2022年11月)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2022/11-topics02.html
国立天文台 月食の観察の仕方
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse-obs.html