昼と夜が同じ長さというのは本当?二十四節気「秋分」とは

今日9月23日(金)は、二十四節気の「秋分」です。
国民の日の祝日「秋分の日」でもあり、今日から25日(日)にかけては3連休の方も多いのでは。二十四節気とは、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立冬」のほかは「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。秋分は暦では秋の折り返し地点です。この日を境に次第に夜が長くなるため、秋の夜長のはじまりともいえそうです。秋分とはどんな日なのかさらに深堀りしていきます。

秋分の日の決め方は天文学的!

国民の祝日である秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日とされ、家族でお墓参りをし、おはぎを作ってご先祖様にお供えをするなど文化的なイメージがありますが、日程の決定方法は天文学的です。日本の祝日を定めている「国民の祝日に関する法律」によれば秋分の日は、「秋分日」を採用するとされています。秋分日とは、天文学上の呼び名です。地球から見た太陽の通り道である「黄道」と、地球の赤道を天にまで延長した「天の赤道」が2点で交わり、その交点のうちの一方を「秋分点」とよびます。なお、もう一点は「春分点」です。そして太陽が秋分点の上を通過する瞬間が「秋分」と定義され、「秋分」を含む日のことを「秋分日」とよんでいます。秋分日は、太陽の黄道が180°に達し秋分点を通過するため、太陽は真東から昇り、真西へ沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。

秋分は昼と夜が同じ長さではない?

秋分は昼と夜の長さがほぼ同じとお伝えしましたが、実際に日の出と日の入りの時刻から計算してみると、昼と夜の長さは同じではありません。

東京の2022年9月23日の日の出の時刻は5時29分、日の入りの時刻は17時37分
つまり、昼の長さは12時間8分、夜の長さは11時間52分

よって昼の方が夜に比べて16分長くなっています。実際に昼と夜の時間が半分に近くなる日は3日後の9月26日で、昼の長さが12時間1分。そして9月27日以降は昼のほうが短くなります。
この原因は日の出・日の入りの定義にあります。単純に太陽中心の動きだけ考えた場合、秋分では昼と夜は12時間ずつの半分ずつで等しくなります。しかし、日の出・日の入りの定義では、太陽の上辺が水平線に一致する時刻、つまり、太陽が地平線から見える時刻と見えなくなる時刻を日の出・日の入り時刻としているため、太陽の中心の動きから昼と夜の長さを考えた場合と差が生じます。よって、太陽の半径分だけ日の出は早く、日の入りは遅くなります。

秋分は、高く澄んだ秋晴れの空を見上げることが増えてきて、次第に夜が長くなっていく時期です。
五感を使って、秋分らしい季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょう。

 

<参考>
・国立天文台 東京(東京都)のこよみ https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/dni13.html