【2024年】木枯らし1号はいつどこで吹く?東京・近畿の基準と防災上の注意点とは
※2024年11月7日12時現在
木枯らしとは
秋から冬にかけて、西高東低の冬型の気圧配置となると太平洋側では乾燥した北よりの風が吹きやすくなります。その中でも、晩秋から初冬にかけて吹く、北よりで強めの風が「木枯らし」です。「木枯らし」という言葉自体は、ニュース以外にも、歌謡曲やクラシックの曲名などで見聞きする機会があるかもしれませんが、冬の訪れを告げる風と言えます。特に話題になるのが「木枯らし1号」で、東京地方と近畿地方で発表されます。
東京地方と近畿地方の木枯らし1号の発表基準は
地方 | 期間 | 気圧配置 | 風向 | 風速 |
---|---|---|---|---|
東京地方 | 10月半ば~11月末 | 西高東低の冬型 | 西北西~北※東京 | 最大風速が8m/s以上※東京 |
近畿地方 | 霜降~冬至 | 西高東低の冬型 | 北より※大阪/神戸/京都/彦根/舞鶴/和歌山のいずれか | 最大風速が8m/s以上※大阪/神戸/京都/彦根/舞鶴/和歌山のいずれか |
東京地方(東京23区と多摩地方)の定義は、①10月半ばから11月末までの間に、②西高東低の冬型の気圧配置となり、東京の観測点で、③風向が西北西~北、④最大風速が8m/s以上であることで、すべての条件を満たす必要があります。近畿地方の定義は、①霜降(10月23日頃)から冬至(12月22日頃)までの間に、②西高東低の冬型の気圧配置となり、大阪・神戸・京都・彦根・舞鶴・和歌山のいずれかの観測点で、③風向が北より、④最大風速が8m/s以上であることで、すべての条件を満たす必要があります。
過去の木枯らしの発表日は
過去最も早かった・最も遅かった木枯らし1号および発表のなかった年(東京地方は1951年以降、近畿地方は1955年以降)と、2000年以降の発表日は以下の通りです。
<東京地方>
・最も早い:10月13日(1988年)・最も遅い:11月28日(1969年・1981年)
<近畿地方>
・最も早い:10月23日(1981年・1993年・2020年・2021年)・最も遅い:12月19日(2003年)
<発表のなかった年>
・東京地方:1959年・1962年・1977年・1979年・2018年・2019年・2021年・2022年・近畿地方:1992年
東京地方 | 近畿地方 | |
2023年 | 11月13日 | 11月11日 |
2022年 | 発表なし | 11月13日 |
2021年 | 発表なし | 10月23日 |
2020年 | 11月4日 | 10月23日 |
2019年 | 発表なし | 11月4日 |
2018年 | 発表なし | 11月22日 |
2017年 | 10月30日 | 10月30日 |
2016年 | 11月9日 | 10月29日 |
2015年 | 10月24日 | 10月25日 |
2014年 | 10月27日 | 10月27日 |
2013年 | 11月11日 | 11月4日 |
2012年 | 11月18日 | 10月29日 |
2011年 | 10月26日 | 10月25日 |
2010年 | 10月26日 | 10月26日 |
2009年 | 11月2日 | 11月2日 |
2008年 | 11月1日 | 11月18日 |
2007年 | 11月18日 | 11月18日 |
2006年 | 11月12日 | 11月7日 |
2005年 | 11月12日 | 12月5日 |
2004年 | 11月13日 | 11月27日 |
2003年 | 11月17日 | 12月19日 |
2002年 | 11月2日 | 10月27日 |
2001年 | 11月6日 | 11月6日 |
2000年 | 10月18日 | 12月11日 |
2024年の木枯らし1号はいつ吹く?
木枯らし1号が観測されるためには、冬型の気圧配置が強まる=強い寒気が流れ込む必要があります。
一般に、エルニーニョ現象は”冷夏暖冬”、ラニーニャ現象は”暑夏寒冬”を日本にもたらすことが知られています。10月10日に気象庁が発表した最新情報によると、冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があります。ただ、日本をはじめ北半球の中緯度を含む地球全体の海水温がかなり高く、地球温暖化の影響もあり、東・西日本では10月は平年より気温が高くなる予想です。11月頃からは、西回りで寒気が流れ込みやすくなり、西日本では次第に平年並みの気温に落ち着きそうです。エルニーニョ現象やラニーニャ現象、今秋にかけての季節予報は目安に過ぎませんが、今シーズンの木枯らし1号はやや遅くなったり発表されない可能性があります。2019年も2024年同様に春にエルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象への移行期間でしたが、東京地方では木枯らし1号が発表されず、近畿地方では11月4日の発表となりました。傾向としては近いかもしれません。
防災上の注意点
ポイント① 強風
木枯らし1号の基準の8m/sの風は時速に換算すると約29km/hで、原付バイクとすれ違った時に感じるぐらいの風の強さです。瞬間的にはその1.5倍~2倍、ときには3倍以上の突風の吹く可能性もあり、風に向かって歩くのが困難になったり、転ぶ人が出るほどの強い風となることがあります。
ポイント② 乾燥
西高東低の冬型の気圧配置となると、太平洋側では北よりの風が山を越えて、雨や雪を降らした後に空気が吹き降りるため、からっ風が吹いて空気の乾燥が進みます。湿度が低く、火災のリスクが高まりますので、火気の取り扱いにご注意ください。
ポイント③ 冷え込み
木枯らしの吹く頃は、西高東低の冬型の気圧配置が強まっていて、北風が吹いて寒気が入りやすくなるため、朝晩を中心に冷え込みがグッと強まります。ニットやアウターで寒さ対策をし、風を通しにくい服装で出かけるようにしてください。