【2024年】木枯らし1号はいつどこで吹く?東京・近畿の基準と防災上の注意点とは

※2024年10月13日6時現在

木枯らしとは

秋から冬にかけて、西高東低の冬型の気圧配置となると太平洋側では乾燥した北よりの風が吹きやすくなります。その中でも、晩秋から初冬にかけて吹く、北よりで強めの風が「木枯らし」です。「木枯らし」という言葉自体は、ニュース以外にも、歌謡曲やクラシックの曲名などで見聞きする機会があるかもしれませんが、冬の訪れを告げる風と言えます。特に話題になるのが「木枯らし1号」で、東京地方と近畿地方で発表されます。

東京地方と近畿地方の木枯らし1号の発表基準は

地方期間気圧配置風向風速
東京地方10月半ば~11月末西高東低の冬型西北西~北※東京最大風速が8m/s以上※東京
近畿地方霜降~冬至西高東低の冬型北より※大阪/神戸/京都/彦根/舞鶴/和歌山のいずれか最大風速が8m/s以上※大阪/神戸/京都/彦根/舞鶴/和歌山のいずれか

東京地方(東京23区と多摩地方)の定義は、①10月半ばから11月末までの間に、②西高東低の冬型の気圧配置となり、東京の観測点で、③風向が西北西~北、④最大風速が8m/s以上であることで、すべての条件を満たす必要があります。近畿地方の定義は、①霜降(10月23日頃)から冬至(12月22日頃)までの間に、②西高東低の冬型の気圧配置となり、大阪・神戸・京都・彦根・舞鶴・和歌山のいずれかの観測点で、③風向が北より、④最大風速が8m/s以上であることで、すべての条件を満たす必要があります。

過去の木枯らしの発表日は

過去最も早かった・最も遅かった木枯らし1号および発表のなかった年(東京地方は1951年以降、近畿地方は1955年以降)と、2000年以降の発表日は以下の通りです。

<東京地方>

・最も早い:10月13日(1988年)・最も遅い:11月28日(1969年・1981年)

<近畿地方>

・最も早い:10月23日(1981年・1993年・2020年・2021年)・最も遅い:12月19日(2003年)

<発表のなかった年>

・東京地方:1959年・1962年・1977年・1979年・2018年・2019年・2021年・2022年・近畿地方:1992年

東京地方近畿地方
2023年11月13日11月11日
2022年発表なし11月13日
2021年発表なし10月23日
2020年11月4日10月23日
2019年発表なし11月4日
2018年発表なし11月22日
2017年10月30日10月30日
2016年11月9日10月29日
2015年10月24日10月25日
2014年10月27日10月27日
2013年11月11日11月4日
2012年11月18日10月29日
2011年10月26日10月25日
2010年10月26日10月26日
2009年11月2日11月2日
2008年11月1日11月18日
2007年11月18日11月18日
2006年11月12日11月7日
2005年11月12日12月5日
2004年11月13日11月27日
2003年11月17日12月19日
2002年11月2日10月27日
2001年11月6日11月6日
2000年10月18日12月11日

2024年の木枯らし1号はいつ吹く?

木枯らし1号が観測されるためには、冬型の気圧配置が強まる=強い寒気が流れ込む必要があります。
一般に、エルニーニョ現象は”冷夏暖冬”、ラニーニャ現象は”暑夏寒冬”を日本にもたらすことが知られています。10月10日に気象庁が発表した最新情報によると、冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があります。ただ、日本をはじめ北半球の中緯度を含む地球全体の海水温がかなり高く、地球温暖化の影響もあり、東・西日本では10月は平年より気温が高くなる予想です。11月頃からは、西回りで寒気が流れ込みやすくなり、西日本では次第に平年並みの気温に落ち着きそうです。エルニーニョ現象やラニーニャ現象、今秋にかけての季節予報は目安に過ぎませんが、今シーズンの木枯らし1号はやや遅くなったり発表されない可能性があります。2019年も2024年同様に春にエルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象への移行期間でしたが、東京地方では木枯らし1号が発表されず、近畿地方では11月4日の発表となりました。傾向としては近いかもしれません。

防災上の注意点

ポイント① 強風

木枯らし1号の基準の8m/sの風は時速に換算すると約29km/hで、原付バイクとすれ違った時に感じるぐらいの風の強さです。瞬間的にはその1.5倍~2倍、ときには3倍以上の突風の吹く可能性もあり、風に向かって歩くのが困難になったり、転ぶ人が出るほどの強い風となることがあります。

ポイント② 乾燥

冬型と空っ風

西高東低の冬型の気圧配置となると、太平洋側では北よりの風が山を越えて、雨や雪を降らした後に空気が吹き降りるため、からっ風が吹いて空気の乾燥が進みます。湿度が低く、火災のリスクが高まりますので、火気の取り扱いにご注意ください。

ポイント③ 冷え込み

木枯らしの吹く頃は、西高東低の冬型の気圧配置が強まっていて、北風が吹いて寒気が入りやすくなるため、朝晩を中心に冷え込みがグッと強まります。ニットやアウターで寒さ対策をし、風を通しにくい服装で出かけるようにしてください。