今年の秋もなかなか暑さがおさまらず、猛烈な残暑が続く予想となっています。
気象庁から8月19日(火)に発表された最新の3か月予報をもとに気象予報士がポイントを解説していきます。
夏の高気圧なかなか後退せず秋は短い!
夏のような暑さはしばらく続きそうです。
夏を代表する『太平洋高気圧』やさらに上空の『チベット高気圧』の二段重ねの高気圧の勢力がなかなかおさまらず、9月は猛烈な残暑が続くでしょう。昨年2024年も残暑が続き、東京都心で最も遅い猛暑日の観測記録を82年ぶりに更新(9月18日)し、富士山の初冠雪の記録も130年の観測で最も遅い観測(11月7日)となりました。今年も昨年に匹敵するような残暑となる可能性があります。
また、10月以降は太平洋高気圧の縁を沿うように、本州付近へ南から暖かく湿った空気が流れ込み、太平洋側を中心に降水量が平年並みか平年より多くなる予想です。台風や熱帯低気圧の接近により、大雨となるおそれもあります。
さらに、8月12日(火)に発表されたエルニーニョ監視速報によると、現在、エルニーニョ・ラニーニャ現象ともに発生していません。ただ、ラニーニャ現象に近い状態になっていて、冬にかけて傾向が続く場合は、日本付近に寒気が流れ込みやすく、12月に入る頃にはいきなり寒くなり、一気に冬へ変わる可能性もあります。少しずつ衣替えなどを進めると良いでしょう。
今年も『猛烈な残暑』に!夏バテ&熱中症に引き続き注意
この先10月にかけては全国的に平年より気温が高い予想です。消防庁がまとめた2024年の熱中症による救急搬送状況をみると、長引く猛暑によって9月中旬に小さなピークがあり、9月・10月でも急に暑くなるような日は熱中症に油断大敵です。こまめな水分補給に加え、冷房を適切に使用し、熱中症の対策を意識的に行ってください。
また、暑さによって、体のだるさや食欲不振などを感じられている方もいるのではないでしょうか?そらくらのこちらのコラムでは、夏バテの原因や改善食材を紹介しています!
11月に入ると、西日本ほど冬型の気圧配置となる可能性が高く、西回りの寒気の影響を受けるでしょう。一方、北日本は暖かな空気が流れ込みやすく、例年より遅い季節の進行となりそうです。
秋雨シーズンは『前線+台風』の大雨リスク高まる
10月をピークに太平洋側を中心に降水量が多くなるでしょう。関東や東海は、平年の降水量が梅雨時期よりも秋雨シーズンのほうが多いため、降水量が平年並みの9月も注意が必要です。
特に注意が必要なのは、前線が停滞するところに、台風や熱帯低気圧の接近が重なるパターン。台風が接近する前から熱帯由来の暖かく湿った空気が流れ込み、大雨となるケースがあります。
そらくらの「備えてくらす もしもの防災」を参考に、大雨対策をいま一度ご家族で確認しましょう!
<参考・画像引用>
・気象庁「エルニーニョ監視速報(No.395)」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html
・気象庁「3か月予報」(閲覧日2025年8月19日)
https://www.jma.go.jp/bosai/season/#term=3month