北海道内では厳しい暑さにより今日22日(火)に臨時休校を行っている学校もあります。北海道では明日23日(水)も気温が上昇し、今年一番の暑さとなりそうです。
このコラムでは、北海道の予想気温や暑さの原因となるフェーン現象、熱中症対策について気象予報士が解説します。
北海道は広く猛暑日で北見は40度に迫る暑さ!
明日23日(水)も高気圧に覆われるため、全国的に晴れて厳しい暑さが予想されています。
特に北海道ではオホーツク海側や太平洋側を中心に、広く35度以上の猛暑日となり、最高気温が40度を超える地点もありそうです。
【北海道の23日(水)予想最高気温(11時発表)】
39度 北見(今年最高)
38度 帯広(今年最高)
37度 紋別(今年最高)
35度 旭川・網走(今年最高)・札幌(今年最高)・岩見沢(今年最高)
北海道では今年一番の暑さとなり、北見で39度を観測すれば、1976年の統計開始以来、記録的な暑さとなりそうです。
猛烈な暑さのカギを握るのはフェーン現象
猛烈な暑さのカギを握るのはフェーン現象です。
フェーンとは、湿った空気が山を越えて反対側に吹き下りたとき、その風の吹き下りた側(風下側)の地域で、乾燥した高温の風が吹くことをいいます。このフェーンにより、気温が上昇することを「フェーン現象」と呼びます。フェーン現象によって風上側と風下側で気温が変化する理由は、湿った空気と乾いた空気で、気温の下がる温度が異なるためです。
フェーン現象の詳しい説明はこちらのコラムをご確認ください。
明日23日(水)は日本に張り出す太平洋高気圧から北にある低気圧に向かって全国的に南西風が吹きやすくなっています。
この南西風が北海道の石狩山地や日高山地を越えて、風下となる北海道のオホーツク海側や太平洋東部に吹き降りることでフェーン現象が発生し、日中も晴れることから気温がグングン上昇しそうです。
最高気温40度は命にかかわる暑さ!命を守る熱中症対策とは
北海道で予想される最高気温40度は命にかかわる危険な暑さです。
危険な暑さから命を守るためには、熱中症対策を万全にすることが重要です。
こちらを確認して、自分だけなく身の回りの大切な人の命も守りましょう。
①外出は短時間で済ませるか昼間のピーク時間を避ける
暑い日に長時間、屋外にいることは危険です。どうしても外出をしなければいけない場合は、なるべく短い時間で済ませ、日傘や帽子で日差しを遮り、日陰を歩くなど、万全の対策をしてください。また、最高気温が観測されることの多い午後2時前後は特に熱中症のリスクが高まります。気温が低めの午前中や、日陰がのびる夕方以降に買い物に行くなど、時間を選ぶことも重要です。
②エアコンを使用して室温は28度以下に保つ
北海道では夜間は暑さが和らぐものの、東北から九州・沖縄では夜間も熱帯夜が続きます。昼夜を問わずエアコンを使い、室温が28度以下になるように保ちましょう。温度計のついた時計などがあると時間と一緒に温度が見られるため便利です。また、扇風機はエアコンの風下に置くと部屋の空気を効率的に循環することができます。
③リスクの高い「子どもや高齢者」は積極的に声を掛ける
子どもや高齢者は、汗を上手にかけないなど、熱中症のリスクが通常よりも高まります。声をかけて体調を確認したり、いつもよりも積極的に水分を補給したり、対策を強化しましょう。
こちらのコラムでは最高気温40度の暑さについてさらに詳しく解説しています。
<参考・引用>
・気象庁 「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
・環境省 熱中症環境保健マニュアル2022
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php