今日13日(金)は九州北部地方にある梅雨前線がゆっくりと北上し、午前中は大分県や長崎県で1時間30ミリを超える激しい雨の降った所がありました。明日14日(土)には朝鮮半島付近に前線がのび、夜には前線上の日本海に低気圧が発生するため、西から雨の範囲が広がり、夜には関東や東北南部でも傘の出番となるでしょう。
この先の大雨の見通しについて、気象予報士が解説します。
週明けにかけて西日本中心に梅雨末期のような大雨に
梅雨前線は14日(土)には日本の南で次第に不明瞭となって朝鮮半島付近に掛かり、15日(日)には黄海から北日本付近にのびるでしょう。また、今日13日(金)の午前6時時点で中国大陸の華南付近にある熱帯低気圧が前線と一体化するため、前線の活動が活発化しそうです。
今日13日(金)は西日本で、土日は北陸や関東、東海でも警報級の大雨となる可能性があり、九州北部では週明け16日(月)も雨の影響が続くでしょう。梅雨末期のような大雨となり、急な大雨に加えて、降り始めからの総雨量が多くなって災害発生のリスクが高まるおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に注意・警戒を続けてください。西日本ではこれまでの大雨ですでに地盤のゆるんでいる所がありますので、崖などの危険な場所には近づかないようにしましょう。
東北の梅雨入りはどうなる?
今シーズンは、すでに西・東日本まで梅雨入りが発表されていますが、東北地方でもまもなく梅雨入りとなるかもしれません。
明日14日(土)夜には東北南部に雨雲が掛かり、15日(日)は東北北部でも雨が降るでしょう。来週前半にかけてくもりや雨のすっきりしない天気が続きそうです。
平年(1991-2020年)では東北南部で6月12日頃、東北北部は6月15日頃に梅雨入りとなり、今年2025年も雨のシーズンが近づいています。備えを進めてください。
市街地では大雨で内水氾濫が起こることも!
堤防を境に、内側の市街地にある水は「内水(ないすい)」、外側の河川の水は外水(がいすい)といいます。市街地で短時間にまとまった雨が降ると、下水道などの排水施設の処理が追い付かなくなったり、川の水位が上昇することで下水道から川へ放流できずに溢れ出したりしてしまうことがあります。そのようにして市街地の側溝や排水路、下水道などで起こる浸水害を「内水氾濫」と呼び、川の氾濫や堤防の決壊が原因の「外水氾濫」と区別されます。
また、大雨で川や用水路の水位が上昇することで起こる現象に「バックウォーター現象」があります。川や用水路の本流と支流が合流する地点で、本流の水位が上昇して支流に逆流したり、せき止められたりし、川が決壊するおそれがあります。市街地でもたびたび起こり、水害の原因となっています。
まずはハザードマップでお住まいの地域の浸水のリスクを知りましょう。内水氾濫のハザードマップがない地域は、洪水のハザードマップや過去の浸水被害を確認してみてください。自宅や会社、学校などの周辺はもちろん、避難場所や避難経路もあわせて調べるようにしましょう。
大雨で避難する際は、地下から地上へ、地上では頑丈な建物の2階以上や高い場所へ逃げてください。停電や水圧で扉が開かなくなる可能性もありますので、水が溜まる前に早めに避難しましょう。すでに屋外への避難が困難な場合は、建物の中でも川や崖から離れた2階以上の部屋に移動してください。