【春の天候振り返り】3月は都心で積雪観測!梅雨入りは速報値で九州南部が全国単独トップ初に

【3月】東京で雪&ひょうを観測!関東と東海~九州北部は春一番が観測されず

3月3日:九州南部・奄美で春一番を観測!関東は10年ぶりに観測されず


春一番とは2月の立春から3月の春分までの間に、広い地域で初めて吹く、暖かくやや強い南よりの風です。
今年2025年は、2月3日に北陸地方で、観測史上最も早く春一番が発表され、九州南部・奄美も3月3日に観測がありました。
ただ、関東や東海から九州北部は、南風の吹くタイミングはあったものの、風速の基準値に達しなかったため、「観測なし」となりました。関東では春一番の発表がなかったのは2015年以来10年ぶりのことです。

3月19日:東京都心で積雪&ひょうを観測


昨年2024年12月19日に東京都心では初雪が観測されましたが、2024年12月から今年2025年2月の冬の間は観測された降水量が合計33mmと1875年の統計開始以来最も少なくなりました。
3月は東京都心のアメダスで2回の積雪を観測しました。特に2回目となる3月19日は午前中にグッと気温が下がり、日本橋にある弊社オフィスでも大粒の雪が見られました。朝は、都心で直径9mmの「ひょう」も観測されました。

【4月】新年度は満開の桜が彩る!開花前線は4日に東北へ23日は北海道へ

桜開花前線:4月4日に東北へ!4月23日に北海道へ


今年2025年の桜開花前線は3月23日に高知と熊本からスタート。平年よりやや遅いものの、遅咲きとなった昨年より早いスピードで西日本から東日本を北上しました。
ただ、昨年は北日本を中心に平年より早い開花となりましたが、今年は北日本付近で北上のスピードがややトーンダウンし、東北で2日ほど、北海道は5日前後、昨年よりも遅い開花となりました。

4月10日:奈良県で落雷事故が発生し雷雨が多いひと月に

偏西風
例年、春は暖かな空気と冬の名残の冷たい空気がぶつかり合い、大気の不安定な状態になりやすい時期です。
特に今年の春は、大陸付近に寒冷渦(かんれいうず)と呼ばれる低気圧が居座り、影響が長引きました。上空の寒気によって、数日間は雷雨の発生しやすい注意が必要な状況が続きました。
4月10日には奈良市の学校のグラウンドで部活中に落雷による事故が発生しました。

【5月】梅雨入り全国一番乗りは九州南部に!東京都心で真夏日も観測

5月16日:九州南部で梅雨入り発表!全国最初は統計開始以来初(※速報値)

 


九州南部で全国最初の梅雨入りの発表がありました。平年より14日、昨年より23日ともに早い梅雨入りです(※速報値)。
奄美で5月19日に、沖縄は5月22日に梅雨入りの発表がありましたが、九州南部の方が沖縄・奄美よりも梅雨入りが早いことは異例です。このまま確定値となれば、以下のようになります。
・九州南部が全国トップの梅雨入りとなるのは1951年の統計開始以降初めて
・九州南部の梅雨入りが沖縄より早いのは1963年・1976年以来49年ぶり
・九州南部の梅雨入りが奄美より早いのは1954年以来71年ぶり
※なお、梅雨は季節現象であり、その入り明けは、平均的に5日間程度の移り変わりの期間があります。また、気象庁では秋に梅雨入りと梅雨明けが判断され、見直されることがあります。

5月20日:東京都心で今年初の真夏日を観測


南風が吹き込み、朝から強い日差しが照り付けたため、気温は午前中からグングンと上昇しました。20日日中の最高気温は関東から九州の広い範囲で30度以上となり、東京都心で今年初めて真夏日を観測しました。
この日は、那覇市でも5月の観測史上1位の記録となるなど、季節外れの暑さとなりました。

<参考>
・気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php

・気象庁「生物季節観測の情報」
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html