先週から比較的過ごしやすい気温が続いていましたが、4日以降は上空に暖かな空気が流れ込み全国的に真夏のような暑さとなりそうです。
このコラムでは週間の気温傾向と熱中症を予防する「WBGT」「熱中症警戒アラート」「熱中症警戒アラート」について気象予報士が解説します。
4日以降は九州~東北南部で真夏日地点続出!熱中症に警戒!
明日3日(火)は前線を伴う低気圧が日本付近を通過する影響で、九州~東北で雨が降り、気温がグッと低くなるでしょう。
明日3日(火)朝の気温は高めですが、日中の最高気温は九州~関東では4月下旬から5月上旬並みとヒンヤリ体感の所が多くなりそうです。
明後日4日(水)は東北北部や北海道では雨が降りますが、九州~東北南部は天気が回復し気温がグッと上昇するでしょう。
九州から関東では5日(木)や6日(金)を中心に、東北南部では7日(土)にかけて、日中の最高気温が30度以上の真夏日となる所が多くなりそうです。
また、東北北部や北海道も暖かな空気に覆われて6日(金)以降に気温が大幅に上昇し、25度以上の夏日となる所もあるでしょう。
全国的に、先週から気温が平年に比べて低くなった日が続いていましたが、今週後半は本格的な暑さが到来するため、熱中症に警戒が必要です。
熱中症を予防する「WBGT」「熱中症警戒アラート」「熱中症特別警戒アラート」とは?
熱中症を予防することを目的として「WBGT」や「熱中症警戒アラート」、昨年2024年から運用が開始された「熱中症特別警戒アラート」があります。
WBGTは気温だけではなく湿度や輻射熱(日差し)を考慮した指数です。
また、熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、注意を呼び掛けるものです。
熱中症警戒アラートはWBGT(暑さ指数)を用いており、WBGTが33以上と予測された場合に発表されます。
さらに、WBGTの値や予想最高気温だけでなく、取るべき熱中症の予防行動も発表されます。
「熱中症特別警戒アラート」は、過去に例のない危険な暑さが予想される場合、環境省と気象庁が共同で記者会見を行い、対策を呼びかけます。
基準は「熱中症警戒アラート」が発表された都道府県内のいずれかの地点で33以上に対し、「熱中症特別警戒アラート」は都道府県内の全地点で35以上となった場合で、より一層の警戒が必要になります。熱中症警戒アラートが発表されたときの対策についてはこちらのコラムをご確認ください。
6月1日から職場における熱中症対策は『義務化』
昨日6月1日(日)からは、労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症の対策が義務化されました。
一昨年2023年と2022年は、記録的な猛暑となり、熱中症による死亡事故件数が年間で30名となっていて、多くなってしまっています。
今年2025年も猛暑となる可能性が高いため、特に屋外での作業は例年以上の熱中症対策が必要になるでしょう。
今回の改正によって、熱中症になった方を早めに「見つけ」、医療機関に搬送するなどの「判断し」、的確に「対処する」必要があります。
まずはWBGT(暑さ指数)を確認しましょう。WBGTが高い場合は、作業を変更したり、対策をとったりすることが大切です。
熱中症の具体的な対策としては、冷房の効いた涼しい休憩場所の整備など作業環境を管理し、健康管理・作業管理を行い、リーダークラスの方は、労働衛生の教育を行うようにしましょう。
<参考>
・厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf