ゴールデンウィークが終わって5月中旬となり、心や体に不調を感じやすい「5月病」の季節がやってきました。実はこの時期、心だけでなく肌もダメージを受けやすいことをご存じでしょうか。春から初夏への気温差や強まる紫外線、生活リズムの変化が重なり、肌が不安定になりやすい時期でもあるのです。今回は、天気の変化とともに起こる「肌の5月病」についてご紹介します。
肌の5月病の原因
肌の5月病の原因は大きく3つが挙げられます。
気象変化・環境変化による自律神経の乱れ
春から初夏にかけては寒暖差が大きく、気圧の急変をもたらす「メイストーム」や「爆弾低気圧」が発生しやすい時期です。また、新年度に進学や就職、引っ越しなどで環境が変化すると、5月の連休明けから日常に戻るタイミングで体調が崩れ、自律神経が乱れやすくなります。これらの気象や環境の変化によって自律神経が乱れると、肌のバリア機能や血行にも影響を与え、肌荒れや乾燥、くすみを感じやすくなるのです。
紫外線の増加による刺激
5月からは紫外線量がグッと増える時期で、真夏並みの紫外線が降り注ぐこともあります。肌がまだ紫外線に慣れていないため、刺激を受けやすく、シミや乾燥の原因にもなります。知らず知らずのうちに「うっかり日焼け」してしまうことも多いので注意が必要です。
気温・湿度の上昇と皮脂バランスの乱れ
気温と湿度が上がってくると、皮脂の分泌が活発になりやすくなります。皮脂が過剰になると、毛穴詰まりやテカリ、ニキビなどの肌トラブルにつながることもあります。特に、5月は朝晩の気温差が大きく、肌の調子が乱れやすいため、丁寧なスキンケアが大切です。
肌の5月病を防ぐには?今からできる3つの対策
自律神経を整えるセルフケアを
自律神経は、寒暖差や気圧、湿度などの気象の変化や生活の変化などで乱れがちで、心と肌の調子を左右します。十分な睡眠と、軽めの運動、ぬるめのお風呂で体を芯からほぐすことが効果的です。忙しい日々でも可能な範囲で自律神経を整えることを意識するとよいでしょう。
紫外線対策を毎日の習慣に
5月の紫外線は肌の奥に届くUV-Aが真夏と同程度で、日々の蓄積が将来のシミやたるみにつながることもあります。外出時だけでなく、通勤や家の中でも日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。また、日焼け止めのみの場合でも、クレンジングで落とすことが大切で。帽子や日傘、UVカットアイテムも上手に取り入れるとよいでしょう。紫外線の種類や肌への影響はこちらのコラムで解説しています。
季節と肌に合ったスキンケアを意識
初夏にかけては気象や環境の変化によって「ゆらぎ肌」になりやすい時期です。刺激の少ない保湿中心のスキンケアに切り替えたり、肌の調子が良ければ美容液や乳液を減らすなどシンプルに引き算したりするのもひとつの方法です。毎日のケアを「肌と対話する時間」にしてみてはいかがでしょうか。
季節の変わり目で体も疲れやすいこの季節、肌も見えないストレスを受けやすいタイミングです。日々の天気を少しだけ気にかけて、スキンケアや生活習慣に取り入れられるとよいでしょう。天気と上手に付き合いながら、心も肌も心地よく過ごせる5月にしていきましょう。
<参考>
・環境省 「2020年3月改正版紫外線環境保健マニュアル」
https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
・気象庁 紫外線のデータ集
https://www.data.jma.go.jp/env/uvhp/link_uvindex_norm56.html