明日から月がかわって5月に突入します。
上旬には大型連休があり、日本では一年で最も過ごしやすい時期ともいわれます。世界各国の天気はどうなのでしょうか。
世界5か国語の5月の名前の由来とともに、それぞれの特徴的な天気についても気象予報士が解説します。
和名では「皐月」
旧暦では和風月名という月の和名があり、5月は皐月(読み方:さつき)といいます。名前の由来は諸説ありますが、早苗月(さなえつき)、つまり田植えをする月であることが語源だといわれています。
日本列島は縦方向に長いため、5月の天気の特徴も地域によって大きく異なります。
北日本の札幌は、晴れて暖かさを感じられる時期で、上旬はお花見のピークです。平年の月平均気温は13.0℃で、中旬頃からは昼間は20℃を超える日が増え、過ごしやすい陽気となりますが、”リラ冷え”といって寒の戻りとなることもあります。
東日本の東京は、晴れると過ごしやすい陽気となります。中旬以降は前線が停滞するとぐずついて、梅雨の走りとなることもあります。平年の月平均気温は18.8℃で、昼間は30℃近くまで上がることもあります。
西日本の福岡は、晴れたりくもったりで、走り梅雨となって雨の降ることもあり、平年の月降水量は133.7mmと雨もやや増えます。平年の月平均気温は19.9℃で、最高気温は30℃を超えることもしばしばあり、気温変化が大きくなります。
韓国語では「오월」
韓国語の5月は「오월(オウォル)」です。「오(オ)」は数字の5で、「월(ウォル)」が月を表します。
韓国(ソウル)の5月の天気は、晴れたりくもったりで、一年の中でも過ごしやすい時期です。梅雨入り前ですが、月降水量は100mmを超えるようになります。平年の月平均気温は18.3℃で、最高気温は30℃を超えることもあり、一日の中の寒暖差が大きく、服装選びが大切です。
中国語では「五月」
中国語では「五月」で、日本の漢字と同じですが、馴染みがないと読み方が難しいかもしれません。北京語では「wǔyuè(ウー ユエ)」、広東語では「ng5yut6(ン ユッ)」です。
中国(北京)の5月の天気は、降水量はまだ少ない時期で、晴れる日が多くなります。平年の月平均気温は21.3℃で、最高気温は30℃前後まで上がります。緯度は高いものの、大陸性の気候のため気温は高く、一日の中の寒暖差が大きくなります。
タイ語では「พฤษภาคม」
タイ語の5月は一般的には「พฤษภาคม(プルッサパーコム)」といい、省略して書く場合は「พ.ค.」となります。インド占星術の金牛宮(おうし座)が語源となっていて、また31日までの月は最後が「คม(コム)」です。
タイ(バンコク)の5月の天気は、曇り空の日が多く、月の降水量は215.4mmと4月の倍以上になり、下旬になるにつれて雨量は増えて雨季(5月〜10月頃)に突入します。まだ暑季(3月〜5月)のため気温も高く、平年の月平均気温は30.5℃です。最高気温は概ね35℃を超え、体温超えの暑さとなることもあります。湿度が高く、じめじめとした蒸し暑さが特徴です。
英語では「May」
英語では5月は「May(メイ)」といい、3文字のため省略して書くことはありません。名前の由来は「Maia(マイア)」というローマ神話の豊穣の女神です。
英語はイギリスとアメリカがメジャーですが、ここではアメリカ(ニューヨーク)をピックアップして5月の天気をみていきましょう。
アメリカ(ニューヨーク)は、晴れたり曇ったりですが、一年を通して一定の降水量があるため、5月も月降水量は91.3mmとなっています。平年の月平均気温は17.4℃で、下旬になるにつれて気温が上昇して最高気温は25℃前後となります。時には30℃ぐらいまで上がることもあり、気温のアップダウンが大きい時期です。
フランス語では「Mai」
フランス語の5月は「Mai(メ)」です。由来は英語と同じです。
フランス(パリ)の5月の天気は、晴れたり曇ったりで、月降水量は62.2mmで3~4日に1回ぐらいの確率で雨が降ります。平年の月平均気温は14.9℃と、下旬になるにつれて気温は徐々に上がり、最高気温が20℃前後となり、過ごしやすくなります。
世界5か国語の月の名前の由来や天気の特徴については、こちらのページで紹介していきます。
<参考・引用>
・気象庁 「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
・気象庁 「世界の天候」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/index.html