入学や入社、引っ越しなど4月に新しい環境で生活を始めた方も、少しずつ慣れてきた頃でしょうか?新生活の始まるこの時期は、気持ちを新たにして快活に過ごしたいですね。
ただ、春は体がだるい、やる気が出ないなど、心身の不調を感じる方が多いようです。
今回は「春バテ」について解説していきます。
春バテの症状や春のだるさの原因はなに?
「春バテ」とは、3月から4月に、天気や気温の変化や生活リズムの変化によって引き起こされる体の不調の総称で、①起きるのがつらいなど倦怠感を伴うもの、②頭痛や肩こりめまいなど身体的なつらさや痛みを伴うもの、③気分が落ち込むなど精神的な不調など大きく3つの症状があります。
春の不調の原因は、目まぐるしい気温や気圧の変化!
“春は3日の晴れなし”という諺があるように、春は天気の移り変わりが目まぐるしい季節です。
数日の周期で気温の変化が大きく、晴れる日は最高気温が20度を超えますが、くもりや雨の日は気温が低下し、さらに北風も吹くと季節が冬に逆戻りしたような寒さとなる日もあります。
また、気圧の変化も見逃せません。季節の変わり目の時期は、高気圧と低気圧が交互に行き交い、2~3日で周期変化するため、日ごとの気圧変化が大きくなります。
例えば飛行機の離着陸の際や新幹線がトンネルに入った時などに、耳が詰まったように感じたり、めまいがしたりする方もいるかもしれません。これは気圧の変化が原因で、普段の生活では感じにくいかもしれませんが、春は気圧の変化も大きく、体には大きなストレスが掛かっています。
このような春の気温や気圧の変化に対応するため、体は交感神経が優位な状態=緊張した状態が続きやすくなります。
交感神経は、呼吸や血圧、体温など生命維持に必要な体の機能を自動的に調整する自律神経のうち、人が活動する時に働く神経です。
一方、副交感神経は就寝中や食後、入浴などリラックスをする時に優位に働きます。
交感神経が優位な状態が続くと疲れがたまり、免疫力が下がるなどの症状が現れやすくなります。
人の体は、前日との気温差が5度以上、一日に8度以上あると不調をきたすといわれています。
春は気温や気圧の変化に加えて、新生活で生活リズムの乱れなどが生じやすいため、交感神経が優位になり、体の不調が現れやすくなります。
春バテの症状チェックリスト
これらの項目に2個以上あてはまったら春バテになっている可能性があります。
1. 眠りが浅い
2. 朝すっきり起きられない
3. 日中に眠気がある
4. 食欲が湧かない
5. 立ちくらみやめまいが起こりやすい
6. 耳鳴りがよくある
7. 息苦しく感じることがある
8. 風邪でもないのに咳が出る
9. 体がだるい
10. 胸のしめつけ感がある
11. 首や肩がこる
12. 腰に痛みがある
13. 手足の冷えを感じる
14. おなかの調子が悪くなりやすい
15. 気分が落ち込み、やる気が出ない
なお、これらの症状が長く続く場合や、症状が重い場合は、医療機関へ受診してください。
春バテの対策!
春バテを予防・解消するには、生活習慣を見直して自律神経を整えることが大切です。
春バテを予防する習慣について
・朝起きたときに日の光を浴びる
朝日を浴びることで体が目覚め、夜の睡眠の質がよくなります。
起きたらすぐカーテンを開ける習慣をつけることをおすすめします。
子どもについても同様ですので、朝に弱いお子様は親御さんが寝室のカーテンを開けるなどのサポートをするといいでしょう。
・起床時に水を飲む
寝起き後にコップ1杯の水をとると、胃腸の動きを促します。それによって、朝食の消化もよくなり、自然な便意を引き起こすことができます。
また、夜間に脱水気味になっている体に水分を補給する意味もあります。
・体温調節ができる服装を心掛ける
気温変化が大きいと交感神経が優位になり、春バテの症状の一因となるため、服装を調節し、体に暑さ・寒さを感じさせないことが大切です。
外出時に暖かくなって脱いだ上着を手に持つのが邪魔に感じるという方は、コンパクトに収納できるタイプの上着を選ぶといいでしょう。
・朝食を食べる
朝食をしっかりとることも春バテに負けない体を作る上で大切です。
次の項目で詳しく説明しています。
おすすめスピード朝食レシピ
春バテを防止する朝食は、①体を温め、②よく噛み、③たんぱく質が豊富にとれるの3つが揃ったものです。
① 朝は体温が一番低い状態なので、温かいものをとることで、体の働きを目覚めさせます。冷たいものをとるよりも、温かいものをとるほうが消化によく、胃腸に負担をかけません。
② よく噛むことで、唾液がたくさん出て、食べ物が消化され、吸収がよくなります。
③たんぱく質には自律神経を整える効果や精神的な症状を緩和する効果が期待できます。
たんぱく質には、必須アミノ酸であるトリプトファンが含まれており、幸せホルモンであるセロトニンを生成するのに必要です。
3つの条件がそろったうえで、バタバタする朝でも5分でできる2つのレシピを紹介します!
・ご飯派 ツナ納豆ご飯
材料
ごはん
A
納豆 1パック
ツナの水煮缶 大さじ2
納豆のたれ
大葉や小葱など お好みで
作る手順
1. ごはんをお茶碗によそう
2. Aを混ぜ、ご飯の上にのせて完成です
・パン派 トーストのシラスとチーズのせ
材料
マヨネーズ 大さじ1/2
食パン6枚切り 1枚
しらす 20g(大さじ4)
スライスチーズ 1枚
作る手順
1. 食パンの上に、マヨネーズを塗る
2. しらすをのせ、全体に広げる
3. スライスチーズをのせる
4. トースターで5分程度焼いて完成
<参考>
石川勝敏「季節、気候、気象を味方にする生き方」