2024年の4月はかなり暑かったけど今年2025年の気温傾向はどうなる?春の熱中症対策のポイント解説

4月に入り、日差しのもとではぬくもりを感じられる日も増えてきましたが、朝晩はヒンヤリとして、一日の中の寒暖差は大きくなっています。
4月の日中は比較的過ごしやすい陽気になることが多いものの、急に気温が上がって、夏日や真夏日となることもあります。
このコラムでは、北・東日本と沖縄・奄美で1946年の統計開始以降最も暑い4月となった昨年2024年を振り返り、今年2025年の気温傾向や春の熱中症対策のポイントについて、気象予報士が解説していきます!

2024年4月は北・東日本と沖縄・奄美で統計開始以降最も暑かった!

気象庁「2024年4月の平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布」

昨年2024年の4月は、春にかけてエルニーニョ現象が発生していました。また、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込むこともありました。
月平均気温の平年差は、北日本で+3.2℃、東日本で+2.7℃、沖縄・奄美で+2.6℃と、1946年の統計開始以降、4月として最も気温が高くなりました。
また、下旬には多くの地点で4月として日最高気温の高い方からの歴代1位の記録を更新しました。大型連休2日目の4月28日(日)は、全国的に気温は平年を上回り、25℃以上の夏日は521地点、30℃以上の真夏日地点は38地点で記録し、季節外れの暑さとなりました。

2025年4月の天気や気温はどうなる?

気象庁「1か月予報(2025年4月3日発表)の解説 週別の平均気温」

先週4月3日(木)に発表された1か月予報によると、北・東日本を中心に暖かい空気に覆われやすいため、気温は北・東日本で高く、西日本で平年並か高くなるでしょう。特に、期間の前半は北日本でかなり高くなる所があり、本州付近を低気圧が通過する時に南よりの風が吹き込むと、フェーン現象によって山の風下側では気温が急上昇する可能性もあります。
降水量は、東日本日本海側と西日本で平年並か少なくなるでしょう。
日照時間は、北日本や沖縄・奄美は前線や低気圧、湿った空気の影響を受けやすい時期があり、北日本で少なく、沖縄・奄美は平年並か少なくなりそうです。

春の熱中症対策は”暑熱順化” がポイント!具体的な方法とは?

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは暑い環境に体を慣らすことで、熱中症対策に有効といわれています。
私たちの体は、冬の間は気温が低いため汗をかく機会が少なくなりますが、夏に向かって気温が上昇するとかいた汗が蒸発することで肌の表面の温度を下げます。それによって体の内部の温度や脳の温度の上昇も食い止め、熱中症を防ぐことができるようになります。
春の急に暑くなる日や梅雨の晴れ間、梅雨明け、お盆明けなどのタイミングは、暑熱順化が完成していなかったり、リセットされてしまっていたりで、熱中症による救急搬送者が多くなるため、注意が必要です。

暑熱順化は、有酸素運動などを毎日30分程度続ける場合、数日から2週間程度で完成するといわれています。ウォーキングやサイクリング、筋トレやストレッチなどの運動を週5日程度、時間としては30分ぐらい行って、軽く汗をかくことを習慣化しましょう。サウナや入浴もおすすめです。
本格的な暑さの前に、徐々に体を暑さに慣らしていってください。

 

<参考・引用>
・気象庁「2024年4月の天候」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/monthly/202404/202404m.html
・気象庁「1か月予報(2025年4月3日発表)の解説」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/