梅雨と言えば6月!ですが、春にも梅雨があるのをご存じですか?このコラムでは、春の長雨が「菜種梅雨」と呼ばれる理由や、なぜ長雨になるのか、防災上気を付けてもらいたい事を解説していきます!
菜種梅雨って何?
3月下旬から4月上旬にかけて、しとしとと長雨に見舞われる事があります。ちょうど菜の花の咲く頃にぐずついた天気に見舞われることから、春の長雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼びます。6月頃の梅雨とは異なり、数日~1週間程度で雨の期間が終わってしまったり、菜種梅雨の期間がないまま季節が進み、本格的な春を迎える年もありますが、冬から春へ季節が移り変わっていっているというサインです。
なぜ春なのに梅雨のように雨が降るの?
菜種梅雨をもたらす原因、それは、冬の名残の冷たい空気と春の暖かい空気がぶつかり合い発生する停滞前線です。
この時期、日本列島の北側には冬の冷たい空気が、南側には春の暖かな空気が控えています。段々と北側の寒気が北上し、南から暖かな空気に覆われてくるようになるのですが、この冷たい空気と暖かな空気という性質の異なる空気がぶつかり合う所では、くもりや雨の天気になりやすいんです。
実は、6月頃におよそ1か月間続く梅雨も、原因は冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合って発生する停滞前線で、原理は菜種梅雨と同じなんです。菜種梅雨は、梅雨と比較すると期間が短かったり、長雨の期間がない年もあることから、「菜種梅雨に入りました・明けました」という発表がないのかもしれませんね。
他にもあります!梅雨と名前のつく言葉
冬から春にかけてが「菜種梅雨」、春から夏にかけてが「梅雨」とくれば、他の季節の変わり目でくもりや雨の日が続く期間を「〇〇梅雨」と呼んでいるものがあります。
・たけのこ梅雨
5月初旬、たけのこのおいしい時期に続く長雨を「たけのこ梅雨」と呼びます
・すすき梅雨(秋雨)
すすきが穂を出す時期に続く長雨を「すすき梅雨」と呼びます。秋の長雨は「秋雨(あきさめ)」とも言い、夏から秋への移行期間にあたります。
・さざんか梅雨
11月下旬から12月上旬のさざんかが咲く頃に降る長雨を「さざんか梅雨」と呼びます。秋から冬への移行期間にあたります。
防災上気を付けたい事は?
梅雨時期と比較すると雨量は少ないものの、菜種梅雨をもたらす前線上に発達した低気圧が発生した場合は、雨の量が増えるおそれがあり、土砂災害などの大雨災害に注意が必要です。寒さが和らいだ日は、雨戸や雨樋の点検をしたり、家の周りの側溝に落ち葉やゴミが溜まっていたりしないか、確認してみましょう。
また、雪が多く残っている地域でまとまった雨が降った場合は、融雪災害が発生する可能性も。気象庁からなだれ注意報や融雪注意報が発表されていないかどうか、気象情報を確認するようにして見て下さい。
春の雨には、他にもいくつか別名があり、詳しくはこちらのコラムでご紹介していますので、気になる方はチェックして下さいね。