【旬のホタルイカ】富山県の漁獲量と気温に関係あり?食べ方や下処理、栄養素も解説

春を告げる味の一つホタルイカ。今がまさに旬となります。ホタルイカは、実は気温や水温によって漁獲量が変化するんです。食べ方や下処理、栄養素などを解説していきます!

気温と水温が影響する?ホタルイカの関係とは?

富山湾
ホタルイカは深海に生息する小さなイカの一種です。日本海を中心に生息していて、兵庫県や富山県が主な産地となっています。特に富山湾は有名で、産卵のためにホタルイカが海岸に押し寄せます。名前の由来は暗い海中で青白く光る姿で、近くで見られる理由は富山湾独特の海岸が関係しています。富山湾は海岸から急に深くなり、産卵のために浮上するホタルイカを海岸近くで観察することができます。
富山湾では、ホタルイカの漁獲量が水温にも依存していて、富山県のデータによると、気温が平年より高く、水温の上昇が速い年は漁獲期間が短くなる傾向があります。このため、今年2025年は漁獲量が多かった昨年に比べると少なくなるものの、平年並みの漁獲量となるでしょう。

ホタルイカは生でも食べられる?食べ方や下処理も解説

近年では冷凍の技術なども発達しているため生食で食べられるホタルイカもありますが、基本的には生食はしないほうが良いでしょう。
生のホタルイカには、旋尾線虫(せんびせんちゅう)の幼虫が寄生しています。国立感染症研究所によるとホタルイカの旋尾線虫の寄生率は2~7%で、体内に取り込んでしまうと腹痛や嘔吐などの症状が見られ、場合によっては腸閉塞になって手術が必要なこともあります。このため、加熱されているものを、なるべく食べるようにしましょう。スーパーで売られているものはボイルされているものがほとんどです。

食べ方は、定番の酢味噌和えがおすすめ!
同じく春が旬の生わかめや、塩ゆでしたワケギと合わせるのも良いでしょう。ボイルしたホタルイカは、このままでも召し上がれますが、気になる方は両側にある目や、足の間にあるクチバシ、真ん中を通る軟骨を取り除くと、より舌触りが良くなります。

体に嬉しい栄養がたっぷり!効率よく栄養をとれるレシピを紹介

ホタルイカには、たんぱく質のほか、ビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは粘膜や皮膚を健康に保つことに不可欠なビタミンです。また、ビタミンBやタウリンも多く含まれるため、年度末や新生活で疲れが溜まりやすいこの時期にぴったり。疲労回復の効果を期待できるでしょう。
ホタルイカの炊き込みご飯
ホタルイカに含まれる鉄分は、酢やクエン酸と一緒にとると吸収率がアップするため、ホタルイカの酢味噌和えは理にかなった食べ方です。
ほかには、ホタルイカのビタミンB2は水溶性のため、ごはんと一緒に炊くと栄養素を無駄なく摂取することができます!ホタルイカとだし汁を炊飯器に入れ、同じく春が旬の菜の花は塩茹でして後から乗せると彩りが鮮やかになります。ぜひご賞味ください♪

<参考>
・富山県農林水産総合技術センター「令和7年ホタルイカ漁況の見通し」
https://www.pref.toyama.jp/166191/20250228r7hotaruyohou.html

・国立感染症研究所「旋尾線虫症とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/p-shigelloides/392-encyclopedia/431-spiruria-intro.html

・小塚晃・北川慎介・南條暢聡・辻本良(2020)富山湾におけるブリ,スルメイカ,ホタルイカの漁況と日本海の海洋環境との関係、沿岸海洋研究大58巻第1号p.81-86