少しずつ春の気配も感じられますが、このコラムでは昨年2024年12月~今年2025年2月の天候を振り返ってみましょう!気象予報士が解説していきます。
【12月】大阪&東京都心で初雪!下旬は北海道で氷点下25度以下の冷え込みに
12月19日:東京都心と大阪で初雪を観測!
局地的な前線が発生し、関東や近畿、四国、九州など太平洋側で雪雲が流れ込みました。東京では平年より2週間以上も、大阪は平年より1週間早い観測となりました。
朝の内は各地一時的に雪やあられが降りましたが、日中には回復に向かい、積雪にはなりませんでした。
12月22日:北海道で氷点下25度の冷え込み!氷点下25度の世界は?
北海道の中で最も冷える場所、皆さまはどこだと思いますか?最北の街である稚内(わっかない)と思う方もいるかもしれませんが、実は稚内は海に近く冷え込みはそれほどでもありません。今シーズン最低の気温を観測したのは、アメダス幌加内(ほろかない)となっています。
良く晴れた日の朝は放射冷却現象と呼ばれる現象が起き、地上付近の熱が逃げる効果があり、冷え込みが強まります。また、陸地は海に比べると熱しやすく冷めやすい性質があるので、内陸の方が、冷え込みが強まる傾向があります。幌加内は北海道の中でも真ん中付近に位置し、陸地の影響を受けやすいため、冷え込みやすくなります。
今シーズンの最低気温は、TOP3でいずれも氷点下25度を下回っています。氷点下25度とは痛みを感じるような気温で、お湯をまくと一瞬で凍るような寒さです。
【1月】年始にかけ青森県で記録的な大雪に!仕事始め6日は都心で40日ぶりの降水
1月3日:青森県・酸ヶ湯で統計史上最も早く積雪4m超え
冬型の気圧配置が強まったり、上空に入る強い寒気の影響を受けたりしたため、青森県をはじめ豪雪地帯では年始にかけて記録的な大雪になった所がありました。
中でも青森県・八甲田山の麓にある酸ヶ湯(すかゆ)では、記録的なスピードで積雪が増えました。1979年の統計開始以来12月としては初めて積雪が3mを超え、年明け後も大雪はおさまらず、1月3日には記録的な早さで4mを超えました。降り積もる雪に除雪がおいつかず、青森市では12月28日に「豪雪対策本部」を設置していましたが、4日に格上げし「豪雪災害対策本部」を設置しました。酸ヶ湯の特徴については、こちらのコラムでまとめています。
1月6日:東京都心は仕事始めに雨!40日ぶりのまとまった雨に
東京都心では11月27日の降水を最後に、12月19日の初雪観測のタイミングで0.5mmの観測がありましたが、少雨の状態が続きました。
最大9連休となった年末年始休暇が明けた1月6日は日降水量25mmのまとまった雨が観測され、カラカラに乾いた空気を潤してくれるような雨となりました。
【2月】上旬と下旬は十年に一度クラスの寒波襲来!春一番は北陸のみ最早で観測
上旬と下旬:強い寒波襲来!太平洋側・日本海側問わず大雪に
上旬と下旬にそれぞれ強い寒気が流入し、日本海側を中心に大雪に見舞われました。
2月4日は北海道の帯広など道東を中心に大雪になり、1日で観測した降雪の深さとしては1953年から始まる70年以上の観測の中で最大となりました。また、2月21日に青森県の八甲田山系の酸ヶ湯(すかゆ)では、積雪が2013年以来12年ぶりに5mを超え、509センチまで到達しました。さらに21日は石川県能登南部に、翌22日は石川県能登北部に相次いで顕著な大雪に関する情報が発表されました。
普段雪の少ない太平洋側から豪雪地帯の日本海側まで、大雪に見舞われ一部の高速道路や国道では立往生が発生し、東海道新幹線に遅延が発生するなど、交通機関に乱れも生じました。
2月3日:北陸で春一番発表!最早の記録を更新
日本海を通過する低気圧に向かって、南風が吹き込み、北陸地方では春一番が発表されました。立春の春一番は2019年2月4日に北陸で観測されて以来6年ぶり、2月3日に発表があるのは、北陸地方気象台が北陸地方の発表を始めた1999年以降で最も早い記録となりました。
そらくらでは、春一番の特設サイトで発表状況をご覧いただけます。意味や各地の発表基準についても一緒にご確認ください。
<参考>
・気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
・気象庁「前3か月の気温経過」(閲覧日:2025年2月27日)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/tenkou/hensa_temp.html