寒かった冬もいよいよ終わりに近づき、春らしさも感じられますね。
春の見通しを気象庁から発表された3か月予報をもとに気象予報士が解説していきます。
ラニーニャ現象の特徴は弱まりその後は不確実
2月10日(月)に発表されたエルニーニョ監視速報によると、現在、エルニーニョ・ラニーニャ現象ともに発生していないながら、ラニーニャ現象に近い状態が続いているとされています。ただ、春にかけてラニーニャ現象の特徴もしだいに弱まり、傾向は続かない見込みです。
この先、夏にかけて、エルニーニョ・ラニーニャ現象ともに発生しない平常の状態が続きますが、長期的には地球温暖化や、日本近海の海面水温が高く、冬型は続きにくいでしょう。3月は西日本を中心に寒気の影響を受ける時期がありますが、一気に春めき北日本ほど暖かな空気が流れ込みやすいでしょう。
【気温の予想】広く平年より高い!春でも熱中症に気を付けて
ここからは2月25日(火)に気象庁から発表された最新の3か月予報を確認していきましょう。今年の春は気温が平年より高い予想となっています。
<3月>
北海道と東北で平年より高く、東日本は平年並みか、平年より高いでしょう。昨年2024年の3月は下旬に気温がジャンプアップし、3月31日は東京都心で28.1℃まで気温が上がり、1876年から続く観測史上3月としては最も高い気温となりました。今年2025年も昨年と同様、一気に春めきそうです。
<4月>
引き続き、北海道と東北で平年より高く、東日本は平年並みか、平年に比べ高いでしょう。例年であれば上旬の桜が満開になる頃は花冷えとなることもある一方、GW前半は真夏日を観測することもあります。1か月の間で気温の変化が大きくなります。
<5月>
気温は北日本で高く、東日本だけではなく、西日本も含めて平年並みか、平年より高めでしょう。例年では、その年になってから初めての真夏日や猛暑日が観測される頃です。体が暑さに慣れていないと、熱中症リスクが高まります。脱ぎ着しやすい服装を選んだり、こまめな水分補給を意識したり、栄養バランスの取れた食事や適度な運動をするなど、生活リズムを整えることを意識しましょう。
【降水量の予想】平年並みながら爆弾低気圧に注意が必要な期間
降水量は、3月と4月は平年に比べて西日本と沖縄で少ない見込みです。中国大陸から高気圧が張り出しやすく、天気は数日の周期変化ながら、低気圧の影響を受けにくいでしょう。
降水量としては少なめの予想ではありますが、春は冬の空気と春の空気がせめぎ合い、低気圧が日本付近で急速に発達しやすく、『爆弾低気圧』や『メイストーム』と呼ばれるような発達した低気圧が通過しやすい季節でもあります。
本州で本格的に梅雨に入る前の季節ではありますが、側溝や雨どいに溜まったゴミなどを掃除し、飛ばされやすい物を室内に入れ屋外に出している物を整理整頓するなど、荒天の対策をいま一度見直しましょう!
【暖候期予報】梅雨らしく大雨となる可能性あり!今年の夏も猛暑に
なお、暖候期予報も発表されましたので、夏の気温や天気傾向も確認していきましょう。今年の夏は、全国的に気温は平年より高くなる予想で、猛暑となる可能性が高いでしょう。
また、降水量は全国的に平年並みの予想ながら、梅雨時期は前線が活発化して、大雨となる可能性があります。早め早めに大雨への備えをしていきましょう。
<参考・画像引用>
・気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象」エルニーニョ監視速報No.389(閲覧日2025年2月26日)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/
・気象庁「向こう3か月の天候の見通し」(閲覧日2025年2月26日)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010000&term=P3M