【2月は東京都心で極端な少雨】メカニズムを気象予報士が解説!次のまとまった雨はいつ?

空気のカラカラ状態が続く東京都心。
東京都心では、2月2日以降0.5mm以上の雨が観測されず、このまま2月に雨が観測されないと極端な少雨となる可能性があります。
メカニズムや次の雨のタイミングを気象予報士が解説します。

【都心の降水】このままだと2月としては統計史上5番目に入る極端な少雨に


東京都心では2月2日に6.5mmの雨が観測されて以降、0.5mm以上の雨は記録されていません。2月としては2000年以来25年ぶりの降水の少なさになる見込みで、このまま雨の降らない状況が続くと2月としては統計史上5番目の少雨となる可能性が高まっています。
都心だけではなく、関東平野部は少雨の状況が続き、広く見ると、東北太平洋側から九州にかけて太平洋側を中心に平年に比べて雨が少なくなっています。

なぜ関東で雨降らない?メカニズムを気象予報士が解説

冬型の気圧配置
2月に都心で極端に雨が少なくなったメカニズムは大きく2つの要因が考えられます。

①強い冬型の気圧配置が続いた

冬型の気圧配置とは、西の大陸側にシベリア高気圧という冷たく乾燥した高気圧が、東の北太平洋に低気圧が居座っている状態をいいます。
シベリア高気圧から吹き出す北西の季節風の影響で、日本海では雪雲が発生しますが、シベリア高気圧は背の低い高気圧のため、雪雲も背が低く、基本的に山脈を越えられません。そのため、日本海側を中心に雪が降り、山脈を越えた太平洋側はカラッと晴れて、冷たい風が吹くことが多くなります。
冬型が強まると、東北太平洋側や東海、西日本の太平洋側は、背の低い山脈を越え、峠を通過して、雪雲が流れ込むことがありますが、東京都心など関東平野部は雪雲が流れ込みにくく、冬晴れが続いたと考えられます。

②南岸低気圧が通過しにくく雨域は陸地を離れて通過した


強い冬型の気圧配置が長く続いたことで、冬型が緩みにくかったことも、少雨の要因の一つです。関東で大雪をもたらす天気図パターンの一つ、南岸低気圧の通過するタイミングが2月としては少なくなりました。
2月16日(日)は関東の南の海上を低気圧が通過しましたが、陸地から低気圧の中心が離れて通過しました。関東の沿岸部には一部雨雲が掛かったものの、内陸は雨や雪は降らなかった所がほとんどで、都心でも0.5mm以上の降水は観測されませんでした。

来週は天気変わり目?前線の動向に注意


この先2月中は東京都心で晴れの天気が続き、雨が観測されない可能性が高いでしょう。日に日に気温が高くなり、スギ花粉の飛散が本格化しそうです。空気の乾燥した状態が続いていますので、室内では加湿器を使うなど、花粉症の対策も行いましょう。
ただ、来週の週明け3日(月)は天気が変わり目となりそうです。およそ1か月ぶりのまとまった雨となり、前線の動向次第ではしばらく傘の出番が続くかもしれません。寒気の流れ込み方によっては、来週中頃に雪の混じる可能性もあります。最新の予報は引き続き、そらくらの天気予報で確認しましょう。