雪が降ると静かなのはなぜ?雪が降る様子を表す言葉もあわせて紹介

2月は全国的に降雪量が多く、東京都心など太平洋側でも南岸低気圧による雪が降りやすい時期です。
雪が降った日の朝、目覚めると外がやけに静かに感じられることがあります。しんしんと降る雪は風情がありますが、それには科学的な根拠があるんです!
このコラムでは、雪が降ると静かに感じられる理由を解説し、また、雪が降る様子を表す言葉をあわせて紹介していきます。

冬が降ると静かに感じる理由とは

雪の結晶

雪が降ると外が異様に静かに感じられる経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
この原因は雪の結晶にあります。音は空気の振動によって伝わるのですが、雪が降っている場合は、多角形の雪の結晶の隙間に空気の振動が吸収されるため、吸音効果がもたらされます。また、降雪ではなく積雪のみの場合でも音は小さくなり、積雪が深くなるほど顕著になります。
また、気温によっても音の聞こえ方は変わります。気温が低い場合は、音が伝わる速さが遅くなり、音は遠くまで届くようになります。つまり、よく晴れた冬の夜ほど、音がよく聞こえるんです。

雪の降る様子を表す言葉5選

雪の降る様子

雪の名前や表現はこちらのコラムで紹介しましたが、雪の降る様子を表す言葉も、静けさや小ささ、軽さ、時間の長さなどによってさまざまな言い回しがあります。今回紹介するもの以外にもまだまだありますので、ぜひ調べてみてください。

① しんしん(深々・沈々・涔々)

「深々」や「沈々」は静けさを表す言葉で、深々(沈々)と雪が降るという場合は、ひっそりと静かに降る様子に適しています。
一方、「涔々」はそれだけで雪や雨が多く降る様子を示し、静けさは含まれませんので、少し意味合いが変わります。

② ちらちら

雪などの小さく細かいものがひるがえりながら飛び散る様子を表しています。雪がちらちらと舞うといった使い方をし、大雪の場合よりは小雪(※数時間降り続いても、降水量として1mmに達しない雪)に適しています。

③ はらはら

小さく軽いものが静かに続けて落ちる様子を表しています。ちらちらと意味合いは似ていますが、ちらちらはどちらかというと大きさが小さい様子を、はらはらは重さを示していて軽やかな印象です。

④ めんめん(綿々)

長く続いて絶えない様子を表す言葉で、雪が降り続くときに使われます。降る時間の長いさまを表現する言葉です。

⑤ のっつのっつ(のつのつ)

東北地方で雪の降る様子を表すときに使われる言葉です。雪が次から次へと大量に降ってきて積もる場合に使われます。「もさもさ」や「もつもつ」などといった表現も使われます。

<参考・引用>
・日本建築学会編, 「雪と建築」,技報堂出版 ,2010