今年2025年1月下旬は北日本付近をたびたび低気圧が通過し、年間で最も寒いこの時期としては平年より高い気温が続きました。
ただ、月替わりとともに2月最初の週末は南岸低気圧が通過。通過後は、この冬一番の寒気『立春寒波』が予想されています。寒さの見通しや対策について気象予報士が解説します。
『立春寒波』襲来!10年に1度レベルの寒さの予想
週明け2月3日(月)は二十四節気『立春』となり、暦のうえでは春を迎えます。
「年末寒波」や「クリスマス寒波」のように季節に合わせて寒波には名前が付くことがあり、立春頃も寒気が流れ込みやすいタイミングの一つです。2月上旬ごろに強い寒気が流れ込んでくると『立春寒波』と呼ばれることがあります。
来週は週明けとともに強い寒気の流れ込みが予想され、低温に注意が必要です。1月30日(木)午後には東北から九州は低温に関して、東北から西日本の日本海側は大雪に関しての早期天候情報(※)が気象庁から発表されました。
(※)早期天候情報とは、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温や低温、冬季の日本海側委の降雪量となる可能性がいつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼び掛ける情報です。
この先2月の気温は?気温変化大きな1か月に
【週間予報】
2日(日)は天気・気温ともに変わり目となるでしょう。
本州の南岸を通過する低気圧によって、西日本は南風が吹き込むため気温は平年より高く10度以上となりますが、都心など関東では5度を少し超える程度で推移しそうです。気温が低い時間帯は都心でも雪が混じり、予想より昼間の気温が上がらないと積雪の可能性もあります。そらくらの天気予報で最新の見解を確認しましょう。
また、週明けには強い冬型の気圧配置に変わり立春寒波が襲来し、東・西日本の最高気温は7度ぐらいになりそうです。平年を下回る厳しい寒さになります。本格的な受験シーズンとなりますが、体調の管理に注意が必要です。
【1か月予報】
7日(金)以降は、全国的に気温が低い予報となっていて、東・西日本ほど寒気の影響を受けやすく低温となる可能性が高くなっています。
一方、2月後半は冬型の気圧配置がゆるみやすく、暖かな空気が入るタイミングがあり、北・東日本では平年並みか、平年より高くなりそうです。ただ、予報の不確実性は高く、予想外に強い寒気の影響を受ける可能性もありますが、その一方で春一番が吹いて気温が急上昇し、季節の歩みが急加速することもあるでしょう。
低温が予想されるいま見直したい対策とは?
2月前半は東北から沖縄の広い範囲で10年に1度クラスの低温が予想されていますが、どんなことに注意したらよいでしょうか?いまから見直せる対策をチェックしましょう。
<普段雪の少ない太平洋側>
・水道管凍結の対策
西日本の都市部でも最低気温が氷点下となるような日がありそうです。水道管が直接むき出しとなっている立水栓や屋外の給湯器は外気に水道管が触れるため、凍結の可能性があります。タオルや断熱材を巻くなど、事前の対策をしましょう。
万が一凍ってしまった場合は、いきなり熱湯をかけると水道管が破裂することがあり、大変危険です。人肌ほどのぬるま湯で少しずつ溶かすようにしましょう。
・慣れない雪道の対策
雪道を運転する際は、必ずチェーンを装着するか、スタッドレスタイヤに履き替えるようにしましょう。雪道に慣れない方は運転をしない選択肢も検討してください。
徒歩の移動も路面が凍結する可能性がありますので、小さな歩幅で歩く『ペンギン歩き』を意識し、両手を開けられるリュックサックなどを用意しましょう。
<大雪の予想される日本海側>
・立往生に備える
雪雲の線状降水帯とも呼ばれることがあるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が発生すると、過去には国道や高速道路で大規模かつ長時間にわたって立往生が発生したケースもあります。こちらを参考に長距離を運転する方は必ず事前対策を行うようにしてください。
・除雪作業中の事故に備える
除雪中の事故に備えるため、必ず複数人で声を掛け合いながら行いましょう。特に屋根からの転落事故が多くなっています。ヘルメットや命綱を必ずつけ、屋根からの落雪にご注意ください。疲れたときは休むなど、疲労を溜めないようにしましょう。