【気象予報士が解説】明日にかけて大雪の中心は北上して北陸付近はJPCZによる積雪急増に注意!東北日本海側は暴風雪のおそれ

今日29日(水)午前7時現在、北海道から九州は日本海側中心に雪が降っています。このあとは、西日本の雪は次第に止みますが、大雪の中心は東・北日本へと移り、北陸付近には明後日31日(金)頃にかけて、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)による活発な雪雲が掛かり続ける可能性があります。今後の雪の見通しや注意すべきポイントを気象予報士が解説します。

明後日にかけて北・東日本は警報級の大雪の可能性!東北は暴風雪のおそれも

今日29日(水)は、北日本を低気圧が通過し、その後は31日(金)頃まで冬型の気圧配置が強まるでしょう。北日本や北陸では断続的に雪が降り、風も強まって荒れた天気となり、西日本日本海側も今日29日(水)は山沿い中心に雪が降りそうです。
予想される雪の降る量は、いずれも多い所で以下の通りです。
【29日6時から30日6時までの24時間】
東北地方  60センチ
関東地方  40センチ
甲信地方  50センチ
四国地方   15センチ
九州北部地方 15センチ
【30日6時から31日6時までの24時間】
東北地方  70センチ
北陸地方  70センチ
関東地方  40センチ
甲信地方  30センチ

大雪による交通障害に注意・警戒し、東北地方や北陸地方では雪を伴った強風にも注意・警戒してください。予想より寒気が強まったり同じ地域で雪が降り続いたりした場合は、警報級の大雪となる可能性があります。また、予想より低気圧が発達した場合は、暴風雪となるおそれもあります。

JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と移動時に注意すべきポイントとは?

JPCZとは

JPCZとは“Japan sea Polar air mass Convergence Zone”の頭文字をとったもので、日本語にすると日本海寒帯気団収束帯です。冬型の気圧配置のときに日本海で形成される、1,000kmぐらいにわたる収束帯(雲の発達しやすいライン)です。JPCZが形成されると、東北南部や、北陸から山陰の日本海側を中心に雪雲が次々と流れ込んで、短時間で積雪の急増するおそれがあります。寒気が非常に強い場合には、岐阜県や愛知県など太平洋側の地域にも雪雲が流れ込むことがあり、大雪になる可能性があります。

持ち物チェックリスト

雪道での立ち往生を防ぐためには、大雪が予想される日に自動車での移動を控えるのが第一です。やむを得ない場合は、道路情報を確認した上で無理のない範囲とし、スタッドレスタイヤやチェーンの装着、毛布などの防寒具や飲食料を用意するなど、万が一に備えてください。雪で車のマフラーが詰まってしまうと一酸化炭素中毒になるおそれがあるため、雪かき用のスコップも常備し、渋滞や通行規制に巻き込まれる可能性もありますのでガソリンなどの燃料は満タンにしておきましょう。
電車やバスなどの公共交通を利用される方は、ダイヤが乱れる可能性がありますので、必ず出発前に最新の運行情報を確認し、時間に余裕をもって行動してください。