週明けの27日(月)から29日(水)頃にかけては、日本海と本州南岸をそれぞれ低気圧が進むでしょう。本州南岸を進む低気圧は『南岸低気圧』と呼ばれ、東京都心などの関東南部に大雪をもたらすことで知られています。さらに本州を挟むように進む低気圧は『二つ玉低気圧』といって広い範囲で荒天となるおそれがあります。
低気圧の最新の動向や東京都心など関東平野部の雪の可能性について気象予報士が解説します。
『南岸低気圧』や『二つ玉低気圧』とは
南岸低気圧とは、本州南岸を進む低気圧のことです。コースや気温、雲の広がりによって予測が変わり、低気圧が予測コースより南側を進んだり雲の広がりが小さかったりすると、雨も雪も降らない場合があります。予測コースより北側を進んだ場合も、低気圧前面に吹く南風により気温が上がり、雪ではなく大雨となります。
二つ玉低気圧とは、太平洋側と日本海側に2つの低気圧があって、本州付近を挟むように進むことです。低気圧の通過時はまとまった雨や湿った雪となり、さらに2つの低気圧が東海上で一つになって急発達し、冬型の気圧配置が強まる可能性もあります。暴風のおそれがあり、広い範囲に荒れた天気をもたらします。
低気圧のコースや動向は?東京都心の雪はいつ降る?
・太平洋側の低気圧(南岸低気圧)
明日27日(月)朝までに、南西諸島付近に低気圧が発生し、この低気圧は28日(火)朝にかけて本州南岸を進むでしょう。九州は明日27日(月)午前中から、中国・四国は昼頃から、近畿でも夜は、広い範囲で傘の出番となりそうです。気温の下がる朝晩を中心に山地では湿った雪となり、低気圧のコースや気温次第では平地でも雪の混じる可能性があります。夜遅くには東海や関東でも雨が降り出し、日付が変わる頃から明後日28日(火)の朝にかけて千葉県や神奈川県の沿岸部ではまとまった雨に、東京都や埼玉県、関東北部では雪が混じるでしょう。まだ予想にばらつきはありますが、気温の低い時間帯に通過することもあり、東京都心でも雪のおそれがあります。交通機関に影響の出るおそれがありますので、明後日28日(火)の朝の通勤・通学時間帯は時間に余裕を持ちましょう。
・日本海側の低気圧
朝鮮半島付近の低気圧は明日27日(月)夜にかけて日本海へ進み、その後は日本海を発達しながら東進して、29日(水)頃にかけて北日本を通過するでしょう。前述の南岸低気圧が先行し、今回は2つの低気圧が東海上でまとまって急発達することはないものの、日本海側の低気圧は動きがやや遅く、影響が長引きそうです。
また、低気圧の通過後は冬型の気圧配置が強まって荒れた天気となるでしょう。29日(水)から30日(木)にかけては北陸付近にJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)による活発な雪雲が掛かり続け、短時間で積雪が急増するおそれがあります。最新の気象情報や交通情報を確認し、大雪に備えてください。
雪の日の移動時に注意すべきポイントとは
立ち往生を防ぐためには、大雪が予想される日に自動車での移動を控えるのが第一です。不要不急の外出は控え、テレワークの活用などを検討するとよいでしょう。
やむを得ない場合は、道路情報を確認した上でルートを調整し、無理のないようにしましょう。スタッドレスタイヤやチェーンの装着、毛布などの防寒具や飲食料を用意するなど、万が一に備えてください。雪で車のマフラーが詰まってしまうと一酸化炭素中毒になるおそれがあるため、雪かき用のスコップも常備するとよいでしょう。渋滞や通行規制に巻き込まれる可能性もありますので、ガソリンなどの燃料は満タンにしてください。
また、冬の荒天時は電車のダイヤが大幅に乱れるケースもあります。出発前は必ず最新の運行情報を確認し、時間に余裕を持った安全な行動を心掛けましょう。