連休初日の2日(土)の今日このあとは、大雨のエリアは東へ移り、関東は今夜が荒天のピークとなりそうです。気象予報士が今回の大雨のポイントを解説します。
九州や中国地方で11月としては記録的な大雨に!メカニズムは?
昨日1日(金)の降り始めからの雨量が、九州と中国地方で11月としては記録的となっています。
長崎県平戸のアメダスでは、今日2日(土)の午前10時までの24時間に観測された降水量が350ミリを超え、山口県や広島県で200ミリ以上となるなど、記録的な大雨となっています。今日未明には長崎県で顕著な大雨に関する情報が発表され「線状降水帯」による大雨も発生しました。
季節外れの大雨になっている原因は「元台風21号」です。台風から変わった低気圧や前線に向かって、梅雨末期や秋雨シーズンに流れ込むような非常に暖かく湿った空気が流れ込んでいます。このため、前線や低気圧を刺激し、活発な雨雲が多く発生している状態です。
このあと大雨エリアは関東へ!都内では滝のような降り方に
低気圧や前線はしだいに東へ移動するでしょう。九州から関東の広い範囲で雨が降り、局地的には1時間50ミリ以上の非常に激しい雨が降りそうです。
明日朝までの24時間に予想される雨の降る量は以下の通りです。
▼関東甲信120ミリ
▼北陸120ミリ
▼東海180ミリ
▼近畿120ミリ
▼中国地方120ミリ
▼四国200ミリ
▼九州南部120ミリ
九州の雨のピークは過ぎつつありますが、これまでの大雨によって地盤の緩んでいる地域があります。また、中国・四国から関東はこれから大雨が予想されますので、土砂災害や川の増水・氾濫に厳重に警戒してください。低い土地の浸水にも警戒が必要です。
また、低気圧や前線の通過前後には風が強まりますので、横殴りの雨や突風にも注意してください。
交通機関に影響大!大雨リスクを避けるための行動とは?
今日2日(土)の午前中は、一時的に東海道新幹線や山陽新幹線の運転見合わせが発表されるなど、三連休の移動の足に大きな影響が出始めています。このあとも大雨が予想されますので、無理な移動は控え、なるべく安全な場所で過ごすようにしてください。
また、アンダーパスなどは急激な大雨によって冠水してしまうリスクがあります。どうしても移動が必要な場合は、なるべく安全な経路を選ぶようにしてください。
さらに、今回の大雨は、低気圧や前線の通過するタイミングで短時間に雨量が多くなるおそれがあります。浸水が始まってしまい避難所へ行くことが難しい場合は、家の2階以上の崖や川から離れた部屋で過ごすなど、少しでも安全な場所にいるようにしてください。