2024年10月31日(木)から11月4日(月・休)までの5日間は、佐賀県佐賀市で「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(以下、バルーンフェスタ)」が開催されます!公式練習は10月30日(水)から始まっていて、近隣で生活している方はすでにバルーンが飛ぶ姿を目にしているのではないでしょうか。
三連休前半にかけて天気が荒れる予想となっていて、フライトの実施の有無が心配ですが、 このコラムではバルーンフェスタの歴史やフライトと気象の関係、2024年の開催期間中の佐賀県佐賀市の天気・気温を解説していきます。
佐賀インターナショナルバルーンフェスタとは?
佐賀インターナショナルバルーンフェスタは、毎年秋のこの時期に佐賀県佐賀市にある一級河川・嘉瀬川(かせがわ)の河川敷で開催されるアジア最大級の国際的なフェスティバルです。バルーン競技やさまざまなイベントが行われ、バルーンを見たい方や写真を撮りたい方など大勢の観客でにぎわいます。
開催期間中には、「パシフィック・カップ」「熱気球日本選手権」「熱気球ホンダグランプリ」など複数の公式大会が行われます。また、「バルーンファンタジア」では、アニメや動物などの人気キャラクターがバルーンとして登場し、見た目の可愛さにテンションが上がります。さらに、4日目と最終日5日目の夜には、河川敷に並べられた熱気球がライトアップされます(夜間係留)。
バルーンフェスタの歴史とは?
バルーンフェスタは、1978年に福岡県甘木市で開かれた「バルーンフェスタ・イン九州」という、5機のバルーンが参加した熱気球大会がルーツです。会場が佐賀県に移ったのは1980年で、1984年からは国際大会となり、「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」という名称になりました。
参加機数はどんどん増え、日本で初めて佐賀熱気球世界選手権が開催された1989年には132機と初めて100機を超えました。その後も佐賀熱気球世界選手権が2度目に開催された1997年には170機、3度目に開催された2016年には186機まで増えていて、そのほかの年もコロナ禍で中止となった2020年と無観客試合となった2021年を除くと、概ね100~130機前後のバルーンが参加しています。
なぜ佐賀県で開催?佐賀県がバルーン(気球)に適している理由とは?
バルーンフェスタが福岡県から佐賀県に移った理由は、当初の開催場所だと福岡空港の飛行機の離着陸に影響が出るためでした。
佐賀県は自然条件がよく、11月の気温もバルーンに適しています。バルーンは内部と外部との温度差で浮力が発生することで飛びます。外部(=大気)の気温が低いほど浮力は大きく、気温が高いほど浮力が小さくなるため、夏よりも冬の方が燃費よく飛行できます。佐賀県佐賀の平年(1991-2020年)の11月上旬の平均気温は15.4℃で、12月に入るとひと桁となってかなり寒くなるため、今がちょうどよい時期といえるでしょう。
また、佐賀平野の上空は、風向きや風速の異なる複雑な風が吹き、時間によって変化するため、バルーンの操縦技術が必要不可欠で、競技に適した場所となっています。
バルーン(気球)の天敵は何?
バルーン(気球)の天敵は、雨(雪)と風です。雨(雪)の日は、視界が悪く、気球が濡れて重くなるため、フライトは中止になる場合が多くなります。
また、晴れていても、風が強まると中止になる可能性があります。目安となる風速は4m/sで、日本気球連盟の「熱気球係留安全規定」では係留(気球をロープでつないで一定の範囲内で上下する飛行)を行ってはならないとしています。晴れる日は日差しの影響で地表面付近が暖められると、上昇気流(サーマル)も生じやすく、操縦を不能にする危険性があるため、フライトは早朝と夕方に行われます。
さらに、霧で周囲が見えない場合や落雷のおそれがある場合もフライトはできず、日没後も飛べません。
この先の佐賀の天気や気温は?
31日(木)午前6時現在、非常に強い台風21号は沖縄の南海上を北よりに進んでいます。このあとは台湾付近へ進み、次第に進路を東よりに変えて、11月2日(土)までに東シナ海で温帯低気圧に変わるでしょう。また、前線が南西諸島に停滞していて、台風の北上とともに北へ押し上げられそうです。11月2日(土)は台風から変わる低気圧や前線の活動が活発となるでしょう。
31日(木)は、晴れますが、昼頃からは雲が増えるでしょう。最高気温は23度ぐらいと、日中は過ごしやすい陽気となりますが、朝晩はひんやり感じられそうです。
11月1日(金)は、雲に覆われて、朝から雨が降り、まとまった雨となるでしょう。最高気温は22度ぐらいで、雨や北風が少しひんやりと感じられそうです。
三連休初日の2日(土)は、断続的に雨が降り、雷を伴って雨脚が強まるでしょう。警報級の大雨となるおそれもあり、土砂災害や川の増水に注意・警戒が必要です。また、次第に風も強まって、荒れた天気となるでしょう。
文化の日の3日(日)は、朝から晴れますが、日中までは北よりの風が強まりそうです。また、前日までの雨で地面の状態はあまりよくないでしょう。最高気温は25度ぐらいまで上がり、夏日となるかもしれません。
振替休日の4日(月・休)は、穏やかな晴天となるでしょう。最高気温は23度ぐらいで、日中は比較的過ごしやすい陽気となりますが、朝晩は冷えて寒暖差が大きくなりそうです。
雨や風によって、フライトの実施が難しい日が出てきてしまう可能性がありますので、必ず公式サイトなどで最新情報を確認してください。
<参考・引用>
・佐賀バルーンフェスタ 公式サイト
https://www.sibf.jp/
・気象庁 過去の気象データ検索
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php