霧が発生する条件と種類を解説!秋は雲海シーズンの到来!

遠くから発生している様子を見ると、幻想的な霧。ただ、霧の中に入ってしまうと見通しが悪く、交通機関に影響が出たり、車の運転時にひやっと感じたりすることがあります。霧の発生する条件と霧の種類を解説していきます。秋から春にかけては、雲海が見られるベストシーズンでもありますから、雲海の発生条件も参考に!

霧の発生する条件とは

霧の発生する条件とは

気象庁の天気予報用語だと「霧=微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態」とあります。難しく表現していますが、地表面の近くで発生した雲みたいなイメージです。

霧が発生する条件は3つあります。
1.空気が冷やされる
空気は、暖かいほど水分を多く含むことができます。何らかの原因で空気が冷やされると、空気が保持できる水分量を超えてしまい、超えた分が水滴となって姿を表します。

2.水分量が増える
空気の温度は変わらず、何らかの原因で空気中の水分が増えることで、保持できる水分量を超えてしまうと、超えた分が水滴となって姿を表します。

3.1と2の混合
空気が冷やされ、かつ、水分量も増えることで、空気中に保持できる水分量を超えてしまい、水滴となって姿を表します。

霧と近いイメージの言葉で「もや」があります。霧ともやは、見通せる距離によって区別されていて、霧が見通せる距離が1km未満に対し、もやは1km以上と定義されています。

霧の種類一覧

霧には発生原因によって「放射霧」「移流霧」「蒸発霧」「前線霧」「滑昇霧」の5種類があります。それぞれ霧のでき方を見ていきましょう。

・放射霧

放射霧とは

晴れた夜から朝にかけて発生する霧です。高気圧に覆われている夜間は、地面の熱が空気中へ逃げるため気温が下がっていきます。この現象は、放射冷却と呼ばれています。この放射冷却によって地面近くの空気の温度が下がり、空気中の水分が水滴となって現れてできる霧を「放射霧」と呼びます。放射霧は、盆地など冷たい空気が溜まりやすい場所で発生しやすく、盆地を見下ろすことができる展望台や高台では、雲海として絶景を楽しむことができます。

・移流霧

移流霧とは

暖かく湿った空気が、冷たい地面や海面へ流れ込むことで冷やされ発生する霧を「移流霧」と呼びます。海で発生することが多い霧で、霧が発生している時間が長く、濃霧になりやすいという特徴があります。

・蒸発霧

蒸発霧とは

暖かい海や川の上に、冷たい空気が流れ込み冷やされることで発生する霧を「蒸発霧」と呼びます。冬場の川や湖で発生しやすい霧です。お風呂で発生する湯気も、原理は蒸発霧と同じです。

・前線霧

前線霧とは

前線付近は、暖かい空気と冷たい空気が接しています。暖かい空気が冷たい空気と接し冷やされる事で発生する霧のことを「前線霧」と呼びます。

・滑昇霧

滑昇霧とは

山の斜面を暖かい空気が上昇。高度が上がるほど気温が下がるため、空気はどんどん冷やされ、空気中に含むことができる水分量を超え水滴となることで発生する霧を「滑昇霧」と呼びます。

雲海が出やすい気象条件

雲海が出やすい気象条件とは

雲海は、未明から朝にかけて発生します。雲海を見たい!という方は、これからご紹介する3つの気象要素を確認して、ぜひ雲海を見に出かけてみて下さい。

①気温
前日の最高気温と当日朝の最低気温の差が大きい、つまり、昼間は暖かいけれど夜間によく冷える日を狙うといいでしょう。昼間の気温が高いほど水分を多く含むことができ、夜間の冷え込みが強いほどよく冷やされるため、雲海が発生する可能性が高まります。

②天気
雨が降ったあと高気圧に覆われ始める日がおすすめ。雨が降ることで湿度もアップし、より雲海を形成しやすくなります。

③風
風が弱い日を狙いましょう。風が強いと霧が流されてしまうため、ほとんど風がない日を選ぶのが理想的です。

霧への備えは「濃霧注意報」

濃い霧が発生して見通しが悪くなり、交通機関に影響がでるおそれがあると予想された場合には、気象庁から「濃霧注意報」が発表され、注意を呼び掛けています。濃霧注意報が発表されている場合には、鉄道・船の運航や車の運転に十分注意する必要があります。

 

<参考文献>
気象庁 天気予報等で用いる用語
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kori.html