キンモクセイのふわっと甘い香りを今年はもう感じましたか?
このコラムでは花言葉や開花時期、二度咲きについて解説していきます。
キンモクセイってどんなお花?
キンモクセイはモクセイ科モクセイ属の落葉しない「常緑樹」です。
ジンチョウゲとクチナシとともに三大香木(さんだいこうぼく)と言われています。
強めの甘い香りがしますが、香りがしてもどこに咲いているのか分からず花を見たことがないという方もいるのではないでしょうか?
近くにオレンジ色の小さな花が咲いていてればキンモクセイです。
中国原産で日本には江戸時代に雄株のみ伝来したと言われています。庭や公園、街路樹として植えられていることが多いです。
キンモクセイ(金木犀)に似たギンモクセイ(銀木犀)もありますが、花の色が異なり、キンモクセイよりも淡い香りがします。今年はキンモクセイやギンモクセイをお散歩中に探してみるのも良いかもしれません。
開花時期はいつ頃?花言葉も解説
一般に9月~10月頃に開花します。分布は本州から九州で、北海道や沖縄で花を見ることは難しいようです。
花言葉は小さな花が咲くことから「謙遜」や「謙虚」、キンモクセイの甘い香りから「初恋」や「真実の愛」という意味もあります。
二度咲きする年もあり天気によっても香り方が違う!
近年では2022年に関東から九州の広い範囲で2回香りが楽しめた『二度咲き』の地域があったようです。
2011年に発表された論文では同じ環境下で育てられたキンモクセイの観察が行われました。論文によると、以下の3つのケースが観察されたようです。
① 複数の木があって個体ごとに開花の時期がばらつく
② 同じ株の中でも開花時期がばらつく
③ 同じ株の中でつぼみが複数作られることによる段階的な開花
上記3つが複合しているケースもあり、近年の温暖化を原因とする説もありますが、メカニズムはまだはっきりとは解明されていません。
キンモクセイの花は気温に敏感で、平年より低い気温になると花が咲くことが多く、暑さがぶり返したり、雨が降ったりで開花が止まってしまうことがあるようです。
また、天気によってもキンモクセイの香りの感じ方が異なります。
晴れる日は太陽によって空気が暖められ、上昇気流が発生するため香りが弱く感じられますが、くもりの日は雲が毛布の役割をするため地上付近に空気が漂いやすく香りを感じやすくなります。
ここまでキンモクセイについて解説してきました!
キンモクセイの香りを感じたら天気もチェックしてみてくださいね。
<参考文献>
・中島敦司・山本将功・大南真緒・仲里長浩・廣岡ありさ(2011)夏季から秋季にかけての気温がキンモクセイの開花に及ぼす影響、日緑工誌p26-31
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/37/1/37_1_26/_pdf