【気象予報士が解説】猛烈な残暑はいつまで続く?都心は猛暑日の最晩記録の更新の可能性

記録的な猛暑の理由は?来週は太平洋高気圧の勢力が強まる

猛烈な残暑の原因は夏の代表的な高気圧である『太平洋高気圧』が異例の強さとなっているためです。

例年、9月に入ると太平洋高気圧は徐々に日本から後退し、秋雨前線が停滞しやすくなります。今週は台風10号や停滞前線の影響によって、一時的に高気圧の張り出しが弱まり、関東などでは秋らしさを感じた方もいたかもしれません。
ただ、来週は再び高気圧が勢力を戻しそうです。上空5,500m付近の天気図を確認すると来週は北海道付近まで太平洋高気圧が北上し、さらに強い中心部が10日(火)頃から11日(水)頃に本州付近を覆うでしょう。
盛夏期レベルの強さの高気圧に覆われることに加え、南から暖かな空気が流れ込みやすく、東海から西の各地では猛烈な残暑になるでしょう。

終わり見えぬ残暑いつまで?都心や名古屋は猛暑日の最晩記録更新の可能性

少なくとも向こう1週間は関東から九州で厳しい残暑が続くでしょう。
特に東京都心や名古屋は9月12日に猛暑日を観測した最も遅い記録が迫っていますが、名古屋はこの記録を更新する可能性があり、都心も晴れたり、フェーン現象が発生したりすると、予想以上に気温が高くなる可能性もあります。
また、昨日6日(金)に「長期間の高温に関する気象情報」が発表され、関東甲信から九州南部では、これから1か月程度は平年より気温の高い状態が続くと予想されています。これから10月にかけては徐々に気温の平年値が下がっていくため、猛暑日を観測する回数としては減っていく傾向ではありますが、引き続き30度以上の真夏日の続く可能性があります。
農作業や家庭菜園などをされている方は農作物の管理に、熱中症を含む健康管理に十分な注意が必要です。

『残暑バテ』とは?症状や対策を解説

残暑続きで食欲が落ちたり、疲れが取れなかったり、睡眠不足といった症状は出ていないでしょうか?その不調は『残暑バテ』かもしれません。
今年も記録的な暑さが続き、体には大きな負担が掛かっています。自律神経が乱れることによって引き起こされ、冷たい飲み物・食べ物をとりすぎることで、胃腸の働きを低下させてしまっているかもしれません。
残暑バテの予防・改善におすすめの方法が3つあります。

①栄養バランスの整った温かいメニューを意識する
食欲がなく、そうめんなどのメニューに偏りがちかもしれませんが、疲労回復効果のある豚肉やトマトなども取り入れると良いでしょう。また、暑さが続き、ついつい冷たいメニューが多くなってしまいますが、食事のうち1品は温かなメニューを入れたり、温かいお茶を一緒に飲んだりすることで、体を温める効果があります。
②シャワーだけで済まさず湯船に浸かる
湯船に浸かることで体を内側から温めることができます。38℃ぐらいのお湯に長めに浸かり汗をかくようにしましょう。
③涼しさに体を慣れさせる
朝晩と日中で少しずつ寒暖差のある日も出てきています。寒暖差も体に負担がかかる一つの要因です。冷房の効いた部屋にずっといるのではなく、涼しい時間帯に歩いたり走ったりすることで、体を涼しさに慣れさせるようにしましょう。最寄り駅のひと駅前で降りて歩いたり、バスを使わず徒歩で帰宅してみたりするのもおすすめです。