「処暑」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「処暑」の意味

処暑(しょしょ)とは、暑さがおさまってくる頃という意味です。残暑の厳しい年は9月に入っても暑さが続きますが、そろそろ朝晩は涼しい風が吹き始めます。
例年では、すすきの開花の便りが届くようになり、少しずつ秋の気配を感じられるようになります。

処暑の七十二候

・ 初候:綿柎開(わたのはなしべひらく) 8月22日~8月26日頃

綿柎開

綿の実を包んでいるガクが開き始める頃という意味です。
綿は美しい花が咲いた後に実をつけて、その実が割れると、中からコットンボールが現れます。このコットンボールを紡いで綿糸や綿織物などが作られます。綿は英語にするとCOTTONで、綿とコットンは同じものです。

・ 次候:天地始粛(てんちはじめてさむし) 8月27日〜8月31日頃

天地始粛

“粛”にはしずまる・弱まるといった意味があり、夏の暑さがおさまっていく頃です。
まだ夏の暑さは残りますが、季節は初秋となり、身の回りでも少しずつ秋の気配を感じられるようになります。桜などの春の便りは南から北へと移っていきますが、すすきなどの秋の便りは北側や標高の高い場所から届き始め、南側・標高の低い場所へと伝わっていきます。

・ 末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)9月1日~9月6日頃

禾乃登

禾(のぎ)とは、稲や藁などの穀物の総称で、収穫の秋に向かって穀物が実り、色づく頃です。
禾という字は稲などの穂先が垂れる形をかたどった象形文字で、禾編の漢字には“稲”や“穂”、“種”など、穀物に関するものが多くあります。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、8月下旬~9月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 処暑(しょしょ)の候
暑さがおさまってくる頃となりましたね~という意味です。
二十四節気の処暑から次の節気の白露(はくろ)の前日まで使うことができます。

② 早涼(そうりょう)の候
朝晩は涼しい風が吹く時期となりましたね~という意味です。
8月下旬から9月上旬頃にかけてよく使われる挨拶です。

③ 早秋(そうしゅう)の候
初秋の時期になりましたね~という意味です。
初秋は、二十四節気の立秋(8月上旬)から白露の前日までを指し、その間の約1か月に渡って使うことができます。

④ 涼風(りょうふう)の候
暑い日が続きますが、涼しい風が吹くようになってきましたね~という意味です。
8月下旬から9月上旬頃にかけてよく使われる挨拶です。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。