岩手県内では24時間降水量が300ミリを超え、記録的な大雨となっている所があります。このあとは、先月大雨の被害があった秋田県や山形県など日本海側でも、北海道も雨や風が強まって荒天となるでしょう。
東北太平洋側に上陸の台風は3事例目!このあとは東北をゆっくり横断!
12日(月)午前8時半頃、台風5号は岩手県大船渡市付近に上陸しました。
このあと、東北を横断する見込みですが、「動きがゆっくりなこと」がポイントです。雨や風の影響が長く続くでしょう。岩手県の沿岸部で12日7時までの24時間降水量が300ミリを超え、平年の8月1か月分の降水量の2倍近い記録的な大雨となっている所があります。
また、東北太平洋側に上陸した台風は3事例目となり、統計開始以降初めて岩手県に上陸した2016年台風10号とコースが似ていて、2016年の台風上陸時には岩泉町の小本川が氾濫し、20名以上の尊い命が奪われました。これまでの大雨で小本川では氾濫危険水位に達し、地盤が緩んでいますので、引き続き災害に厳重な警戒が必要です。
雨や風の予想は?土砂災害に厳重な警戒を
台風による雨や風、波の最新情報を解説します。
・大雨
東北では、13日にかけて雷を伴った激しい雨が降り、12日は非常に激しい雨が降る所があるでしょう。東北地方では、総雨量が平年の8月1か月分の降水量を超える記録的な大雨となっている所があります。北海道は13日(火)に太平洋側中心にまとまった雨が降るでしょう。
予想される雨の降る量は、いずれも多い所で以下の通りです。
▼12日6時から13日6時までの24時間
東北250ミリ
▼13日6時から14日6時までの24時間
東北150ミリ
特に、今日午前中は青森県と岩手県、宮城県で線状降水帯が発生し、局地的にさらに雨量の増えるおそれがあります。大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるため、土砂災害や川の増水・氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒をしてください。
・暴風
北海道と東北では、12日は海上を中心に非常に強い風が吹く所があるでしょう。
予想される最大風速(最大瞬間風速)は以下の通りです。
▼12日(月・休)
東北 25(35)メートル
北海道 18(25)メートル
▼13日(火)
東北 15(23)メートル
暴風に警戒をしてください。
・高波
北海道と東北は、12日は大しけとなる所があるでしょう。
予想される波の高さはいずれも、うねりを伴い以下の通りです。
▼12日(月・休)
東北 7メートル
北海道 6メートル
▼13日(火)
東北 4メートル
北海道 4メートル
高波に警戒が必要です。
また、東北や北海道を中心に、発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、落雷や竜巻などの激しい現象にも注意が必要です。建物の中で安全確保に努めてください。
お盆期間中に見直したい!ご家族でできる対策とは?
お盆期間後半も台風が発生しやすい状況が続き、東北以外の地域も影響が出る可能性があります。お休みという方も多いと思いますが、家族が集まるこの機会に防災を見直してみましょう。
①連絡方法や手段を確認
台風の暴風により停電が発生したり、電話が通じにくくなったりすることが考えられます。思い通りに、離れた場所にいる家族と連絡が取りにくくなるケースが考えられます。
「三角連絡法」という手段があり、遠くに離れた場所に住むご家族や親戚、ご友人の家を連絡先に決め、そこを中継点にして家族の安否確認をとる方法です。このお盆を機に相談してみましょう!
②ハザードマップを確認
市町村が発行しているハザードマップを確認してみましょう。避難場所などの標識も一緒に確認するとよいでしょう。
またハザードマップをもとに「タイムライン(避難行動計画)」を夏休み中に相談しておくのもおすすめです。5段階の警戒レベルに合わせ、どのタイミングで避難を始めるのか検討してみましょう。
③非常用持ち出し袋の点検
ご家族の多い方ほど、点検が大変にはなりますが、台風接近前にいま一度確認しましょう。そらくらでは、ご高齢の方向け・乳幼児向けにも非常用持ち出し袋のチェックリストをまとめています。
さらに、災害時の安否確認サービスの使い方をチェックしてみたり、集合場所まで実際に徒歩で移動してみたり、災害に対する意識を高めて行動をしてみましょう。
<そらくら関連ページ>
・台風の位置を天気図でチェック
https://sorakura.jp/chart/
・台風の一生を気象予報士が詳しく解説
https://sorakura.jp/20230917201-2/