「立秋」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「立秋」の意味

「立」は新しい季節の始まりを表し、立春・立夏・立秋・立冬をあわせて「四立(しりゅう)」といいます。立秋(りっしゅう)とは秋の始まりで、立冬の前日までが、暦の上での秋となります。
立秋以降の暑さを“残暑”といい、残暑の厳しい年は9月に入ってもなかなか気温が下がりません。

立秋の七十二候

・ 初候:涼風至(すずかぜいたる) 8月7日~8月11日頃

涼風至

日中はまだまだ暑さが続きますが、この先は、朝晩は涼しい風が吹くようになります。
涼風(すずかぜ・りょうふう)とは、俳句の世界では夏の季語で、晩夏の頃に吹く涼しい風のことです。立夏を迎えて暦の上では秋となり、この先は少しずつ夏の終わりと秋の気配を感じられるようになります。

・ 次候:寒蝉鳴(ひぐらしなく)8月12日〜8月16日頃

寒蝉鳴

ヒグラシは、カメムシ目・セミ科に属するセミの一種で、日暮れの頃によく鳴くことが名前の由来とされます。
オスは「カナカナカナ…」や「ケケケケケ…」などと甲高い鳴き声をしています。夏から鳴き始めますが、もの淋しさを感じさせ、秋を連想させることから、ヒグラシは秋の季語です。

・ 末候:蒙霧升降(ふかききりまとう)8月17日~8月21日頃

蒙霧升降

蒙霧とは“もうむ”と読み、深くまとわりつくように立ち込める霧のことで、升降は昇り降りする様子を表します。地表面近くの空気が冷やされることで、空気中の水蒸気が水滴に変わって霧となります。
俳句の世界では“春は霞(かすみ)、秋は霧(きり)”といい、2月の雨水の時期の七十二候、「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」と対になっています。気象の世界では霞は気象用語ではなく、霧は明確な定義があります。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、8月上旬~8月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 立秋(りっしゅう)の候
暦の上では秋を迎えましたね~という意味です。
二十四節気の立秋から次の節気の処暑(しょしょ)の前日まで使うことができます。

② 残夏(ざんげ)の候
夏の暑さがまだ残る頃ですね~という意味です。
立秋の頃から8月下旬の節気・処暑にかけてよく使われる挨拶です。

③ 残暑(ざんしょ)の候
残暑の時期になりましたね~という意味です。
残暑とは立秋以降の暑さのことで、立秋から9月上旬の節気・白露にかけて使うことができます。

④ 暮夏(ぼか)の候
暦の上では夏も終わりに近づいてきましたね~という意味です。
本来は暦上の夏の終わる立秋までですが、近年では8月いっぱい使われることもあるようです。

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。