【東京で桜開花発表】満開は早く来週中頃にはお花見のピークに!開花が遅くなった原因とは

今日3月29日(金)に、東京で桜開花の発表がありました。東京では桜開花の平年日(1991-2020年)が3月24日ですので、2014年以来10年ぶりに平年より遅い開花となりました。
近年は記録的な開花スピードとなっていましたが、今年2024年の桜の開花はやや遅めで、久しぶりに満開の桜が新年度の東京の街並を彩りそうです。桜の開花が遅くなった原因を過去の開花日の変遷とともに解説し、今年のお花見シーズンについても取り上げていきます。

東京で最も桜の開花日が遅かったのはいつ?

東京の桜の標本木(気象庁が行っている生物季節観測で開花日などを観測するために定められた草木)は、千代田区の靖国神社の境内にあります。1966(昭和41)年からこの木で観測されていて、60年近くの歴史があります。
東京で最も桜の開花日が遅かったのは1984(昭和59)年の4月11日です。この年は満開の発表(標本木で約80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日)も遅く、4月17日でした。その後も1980年代は4月に東京の桜の開花発表がされた年がありますが、1990年代以降は一度もありません。
反対に、東京で最も桜の開花日が早かったのは3月14日で、2020年・2021年・2023年の3回あります。いずれもここ数年の話ですので、桜の開花が著しく早まった印象がありますが、2000年以降で最も開花の遅かった日は3月31日で、2005年と2012年の二度あります。

最早タイとなった2023年と2024年の違いは何?

過去最早タイとなった2023年と、平年日より開花の遅くなった2024年の違いはどこにあったのでしょうか。桜の開花には秋から冬にかけての一定の寒さと、春の気温上昇が重要です。
まず、2023年シーズンの桜は冬にしっかりと気温が下がり、休眠打破に必要な低温要求量が十分に得られました。一方、2024年シーズンの桜は冬に入っても気温が下がらず、寒気も長続きしなかったため、少し寝ぼけた状態となっていたと考えられます。
また、2023年は3月に入ってから気温が急激に上昇して桜の生長を進めたのに対し、2024年は2月中旬に季節外れの暖かさとなったものの、その後は寒気の流れ込みやすい状態が続き、3月に入ってもなかなか気温が上がりませんでした。1984年以降の3月の東京の旬毎の気温をみると、2024年の3月上旬の最高気温は、開花が最も遅かった1984年に次いで低くなりました。

過去にも休眠打破に必要な寒さがなかなか得られない年はありましたが、3月以降の気温上昇で一気に咲いたケースもあり、今シーズンは寒さ・暖かさのどちらも不足したことが、桜の開花が当初の予想よりも遅くなっていった要因になったと考えらえます。

2024年 東京のお花見シーズンはいつ?

この先は気温が高いため、満開まではあっという間で、ライフビジネスウェザーの予想では、2024年の東京の桜の見ごろは4月3日(水)~4月10日(水)で、4月6日(土)・7日(日)の土日は花見客でにぎわいそうです。久しぶりに入社式や入学式の時期に満開の桜が見られ、イベントを彩るでしょう。

この先は3月下旬から4月上旬にかけて、日中の気温は平年より高く、20℃以上の日もありそうです。ただ、晴れる日ほど朝晩は冷え込み、夜桜見物は肌寒くなるでしょう。4月上旬の平年(1991-2020年)の東京の最低気温は8.0℃です。お花見の際は、寒さ対策を万全にしてください。
服装はトレンチコートやウールコートに加えて、ニットや保温性の高い服を重ね着したり、タイツを履いたり、ストールを用意したりしましょう。カイロや暖かい飲み物もご用意いただくとより安心です。