二十四節気「雨水」の意味
雨水(うすい)は、雨水(あまみず)がゆるんで草木が発芽し始め、日ごとに春の兆しが見られるようになってくる頃です。また、雨水には、雪の季節から雨の季節になる頃とか、雪や氷がとけて水になるという意味もあります。日本海側など雪国の多くの地域では、主に1月が雪の多い時期で、2月中旬から下旬にかけて積雪がピークとなり、3月になると徐々に雪どけが始まります。
雨水の七十二候
・ 初候:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 2月19日~2月23日頃
暖かい春の雨が降って、凍っていた冷たい大地が潤いを取り戻すようになる頃です。まだまだ、北日本などは雪が降りますが、冬の終わりが近づき、少しずつ春へと季節が変わっていく時期です。
昔から、農家では農耕の準備を始める時期とされてきました。
・ 次候:霞始靆(かすみはじめてたなびく) 2月24日〜2月28日頃
霞(かすみ)が漂って、遠くの景色がぼんやりとして見えるようになる頃です。
霞とは、空気中の微細な水滴やチリなどによって遠くがぼんやりと白っぽく見える現象です。「霧」や「もや」は気象用語として明確な定義がありますが、霞は気象用語ではありません。春霞という言葉があるように、春の空は水蒸気が多く、砂や花粉などによって霞んで見えやすくなります。
・ 末候:草木萠動(そうもくめばえいずる) 3月1日~3月5日頃
草や木が芽吹くという意味があり、身の回りでは草木の芽がほんのりと薄緑に色づく頃です。
春の色といえば、柔らかいピンクが特徴的な桜色や、鮮やかな黄色がかわいい菜の花色、初春の草木を表す若菜色などがあります。3月に入り、身の回りで春を感じさせてくれる色が増えていきます。
この時期に使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、2月下旬~3月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。
① 雨水(うすい)の候
雪から雨へと変わる頃になりましたね~という意味です。
二十四節気の雨水から次の節気の啓蟄(けいちつ)の前日まで使うことができます。
② 残雪(ざんせつ)の候
冬に積もった雪が、春になってもまだ残っていますね~という意味です。
二十四節気の立春を過ぎた頃から2月末にかけて使われる挨拶です。
③ 早春(そうしゅん)の候
春のはじめの時期になりましたね~という意味です。
二十四節気の立春から3月上旬頃にかけて使うことができます。
④ 解氷(かいひょう)の候
川や湖の氷が解け始める頃になりましたね~という意味です。
2月中旬から下旬にかけて使われる挨拶です。
二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。