二十四節気「立春」の意味
「立」という字は新しい季節の始まりを表し、立春(りっしゅん)とは、暦の上では春の始まりです。立夏・立秋・立冬とあわせて「四立(しりゅう)」と呼ばれます。
二十四節気は古代中国の黄河流域の季節に基づいているため、日本の季節に置き換えるとズレが感じられてしまいます。気象庁では3~5月を春としています。
立春の七十二候
・ 初候:東風解凍(はるかぜこおりをとく) 2月4日~2月8日頃
東風とは、春先に吹く東よりの柔らかい風のことで、春風が氷をとかすという意味です。東風は、この七十二候では“はるかぜ”と読みますが、一般的には“こち”と読み、朝に吹けば“朝東風(あさごち) ”、雨が混じれば“雨東風(あめごち) ”、桜が咲く頃だと“桜東風(さくらごち)”など、さまざまな情景を表すときに使われます。
・ 次候:黄鶯睍睆(うぐいすなく) 2月9日〜2月13日頃
山里でウグイスが鳴く頃という意味です。黄鶯とは、東南アジアに生息する高麗鶯(こうらいうぐいす)のことで、睍睆は美しく鳴く様子を表す言葉です。高麗鶯は、日本に生息するウグイスよりやや大きく、黄色い羽根を持ちます。日本にも旅鳥として訪れることがあり、主に日本海側で見ることができます。
・ 末候:魚上氷(うおこおりをいずる) 2月14日~2月18日頃
川や湖などの割れた氷の間から魚が飛び上がるという意味があります。春を告げる魚を“春告魚(はるつげうお)”といいますが、北日本ではニシン、東・西日本ではメバルが代表的です。どちらも春になると産卵のために浅瀬に移動します。
この時期に使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、2月上旬~2月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。
① 立春(りっしゅん)の候
暦の上では春となりましたね~という意味です。
二十四節気の立春から次の節気の雨水(うすい)の前日まで使うことができます。
② 浅春(せんしゅん)の候
浅春とは、立春を過ぎて間もない頃のことで、春の始まる時期になりましたね~という意味です。
二十四節気の立春から次の節気の雨水(うすい)の頃まで使うことができます。
③ 余寒(よかん)の候
余寒とは、立春以降の寒さのことをいい、春になりましたが寒さが続きますね~という意味です。
二十四節気の立春を過ぎてから、2月中・下旬頃にかけて使われる挨拶です。
④ 春寒(しゅんかん)の候
春になったのにまだ寒いですね~という意味です。
二十四節気の立春を過ぎて、まだ寒さがぶり返す時期に使うことができます。
⑤ 梅花(ばいか)の候
梅の花が咲く頃になりましたね~という意味です。
2月全般に使える便利な挨拶です。
二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。