二十四節気「大寒」の意味
大寒(だいかん)は、”大いに寒い”という字の通り、これから2月上旬の立春にかけてが、1年で最も寒い時期です。日本で観測が行われてから一番気温が下がったのは、1902年1月25日に北海道の旭川で観測された-41.0℃で、この記録は今でも抜かれておらず、1月25日は”日本最低気温の日”とされます。
大寒の七十二候
・ 初候:欵冬華(ふきのはなさく) 1月20日~1月24日頃
“欵冬(かんとう)”とは、フキのことで、フキノトウの蕾が出始める頃です。フキノトウは春の訪れを感じさせてくれる山菜で、苦味があるのが特徴です。春が旬の山菜に苦味があるのは、植物性アルカノイドやポリフェノールが含まれているからで、新陳代謝を促進する効果があり、冬の間に身体に溜め込んだ毒素を排出してくれます。
・ 次候:水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1月25日〜1月29日頃
沢の水が氷となって厚く張る頃です。小寒から立春前日までの“寒の内”に汲んだ水は、“寒の水”といい、細菌が少なくて腐りにくいため、お酒や醤油の寒仕込みに使われます。特に、大寒の朝に汲んだ水=”大寒の水”は1年間腐らないとも言われ、縁起が良いとされます。
・ 末候:雞始乳(にわとりはじめてとやにつく) 1月30日~2月3日頃
鶏が春を感じて卵を産み始める頃という意味です。実は、卵の旬は春です。冬は餌をたくさん食べ、さらに産卵量が少なくなるため、栄養価が高くておいしい卵になると言います。ただし、これは雌だけで産んだ無精卵ではなく、有精卵の場合です。無精卵は基本的に1年を通して均一の味となります。
この時期に使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、1月中旬~2月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。
① 大寒(だいかん)の候
1年で最も寒い時期になりましたね~という意味です。
二十四節気の大寒から次の節気の立春(りっしゅん)の前日まで使うことができます。
② 暮冬(ぼとう)の候
暮冬は陰暦の12月のことで、冬もそろそろ終わる頃になりましたね~という意味です。
小寒から立春の前日までの期間に使われる挨拶です。
③ 酷寒(こっかん)の候
寒さがとても厳しい時期ですね~という意味です。
1月中旬から下旬頃にかけて使うことができます。
④ 節分(せつぶん)の候
節分の時期になりましたね~という意味です。
節分の前後(2月1~5日頃まで)に相手に届くように使います。
二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。