ふたご座流星群は、しぶんぎ座流星群やペルセウス座流星群とあわせて“三大流星群”といわれ、毎年安定して多くの流星を見ることのできる天体イベントです。そして今年2023年は観測条件が絶好といわれ、1年を締めくくる天体イベントとなりそうです。
ふたご座流星群を見られる時期やピークの日時、向こう1週間での観測日和の日、観測する際の注意ポイントを確認していきましょう!
ふたご座流星群とは
そもそも流星群とは、夜空のある一点(放射点)から放射状に広がるように出現する一群の流れ星のことです。
ふたご座流星群は、毎年12月4日~17日頃に見ることのできる流星群で、放射点はふたご座です。冬の星座のふたご座は、日没後に東の空に昇り、未明に天頂を通り、夜明け近くまで西の空に輝きます。そのため、観測できる時間は比較的長い流星群といえます。
また、一晩で見られる流れ星の数は年間でも1・2位を争うほどで、安定して多くの流れ星が見られるため、人気のある天体イベントといえるでしょう。
2023年が絶好の条件の理由は?観測時期や条件を解説
国立天文台ホームページより引用
2023年のふたご座流星群は12月5日(火)〜20日(水)頃に見ることができ、ピークの日時は15日(金)の午前4時頃です。14日(木)の夜~15日(金)明け方には、1時間あたりに見られる流星の数が暗い場所では30個を超え、1時間あたり70~80個に達する可能性もあるようです。
2023年は絶好の観測条件といわれ、天文年鑑では「空前の“星降る夜”となるだろう.」とまで書かれるほどです。その大きな理由は“月明りの条件”でしょう。
流星の観測は暗い場所のほうが適しています。そして観測を妨げる光の要素には、①月明りと②街灯などの人工的な灯りがあり、満月に近い時期は空が明るく見えるため流星群は観測しづらくなります。2023年は12月13日(水)が新月のため、月明かりの影響がほとんどありません。
観測日和はいつ?今週の全国各地の星空指数をチェック!
ここ数年でも最良の条件とされる2023年ですが、観測を左右する天気はどうなるのでしょうか? 12月11日(月)~17日(日)にかけての、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の星空指数を見ていきましょう!
それぞれの日付は、その日の日没~翌夜明けまでを指し、★は以下の4段階です。
★2つ:多少雲は出るが観測はまずまず
★1つ:雲の切れ間からチャンスあり
★なし:観測は難しそう
札幌は、冬型の気圧配置となりやすく、観測は厳しめでしょう。11日(月)・12日(火)・15日(金)はややチャンスがありますが、限られた時間となりそうです。
仙台から福岡は、13日(水)の夜が一番の観測日和となるでしょう。ピークとなる14日(木)夜から15日(金)明け方にかけては、西から次第に雲が増えて雨が降り出すため、早い時間の観測がおすすめです。東京も日付の変わる頃からは雲が広がる可能性があります。土日もチャンスはありますが、日本海側は一段と強い寒気が流れ込み、九州でも雪予報となっているため、あまりおすすめできません。東京や名古屋は晴れますが、ふたご座流星群はピークを過ぎると流星数が急激に減る傾向があります。
冬の天体観測にマストの寒さ対策は?
冬は穏やかに晴れて風が弱いと、放射冷却によって夜は冷え込みます。天体観測は長時間屋外で過ごすため、低体温症に注意が必要です。特に、山などの標高の高い場所での観測は平地よりも気温が下がりますので、万全の対策をしましょう。
いま一度、服装や持ち物を確認してください。
<服装>
・長袖
・長ズボン
・保温性の高いインナー
・暖かい靴下
・ダウンなど保温性の高いアウター(防水・撥水効果もあると◎)
・ニット帽
・マフラーやネックウォーマー
・手袋
<持ち物>
・カイロ(貼るものや足用)
・暖かい飲み物
・寝袋
<そのほか基本の持ち物>
・ライト(赤いセロファンを巻く)
・レジャーシート
・星座早見盤や星座の専用アプリ
<参考・引用>
・国立天文台「ふたご座流星群」
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/geminid.html
・国立天文台「ほしぞら情報2023年12月」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/12.html
・「天文年鑑2023年版」2022年11月 誠文堂新光社