12月に入り、年末年始の予定を立てるため、そろそろ天気傾向が気になる時期ですね!
いまからおよそ1か月後の天気をズバリ当てることは気象予報士でも難しいですが、過去の傾向を確認し、晴天の場合、はたまた雪の日の場合の計画を立てることは可能です。今回は主要都市に焦点を当て、来年2024年の1月1日の天気傾向を見ていきます!
そもそも「元旦」と「元日」とは?
「元旦(がんたん)」「元日(がんじつ)」どちらも1月1日を表す言葉です。ただ、表す時間が異なります。
「元旦」は太陽を表す「日」が地平線「一」からのぼる様子を示すため、「1月1日の朝」を指す言葉です。
それに対し、「元日」は1月1日の「1日」を表す言葉になります。また、国民の祝日の一つでもあります。
「元日」の過去30年の晴天率は?
それでは、まず「元日(1月1日)」の主要都市の過去30年間の天気を振り返ってみましょう。
西高東低のいわゆる冬型の気圧配置になるケースが多く、日本海側に位置する新潟は晴れる日は3%程度ですが、雨・雪の日は合わせて85%以上となっています。
一方、太平洋側は乾燥した晴天が続き、東京の晴天となる確率は9割近くになっています。名古屋や大阪は東京に比べるとやや晴天率が下がるものの3年に1度は晴れる計算に。強い冬型の気圧配置となって、雪雲や雨雲が流れ込むケースがあるため、東京よりは晴れる確率が低くなっています。
ここまで元日1日を通しての天気を見ましたが、気になる初日の出の時間帯の天気はどうでしょうか?
2023年冬の天気は「エルニーニョ現象」がキーワード!
2023年11月10日に気象庁から発表されたエルニーニョ監視速報によると、来春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いとなっています。
昨年まで実は3シーズン連続でラニーニャ現象が発生し、東・西日本の年末年始は冬らしい天気や平年以下の気温になる時期が多くなりました。
ただ、エルニーニョ現象が発生している冬は、西日本では平年よりも気温が高く、東日本太平洋側では降水量が多いことが、これまでの研究で分かっています。
この冬の傾向については、こちらのコラムにもまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。
ここからは、過去にエルニーニョ現象が発生した年の元旦の天気をクローズアップしていきます。
エルニーニョが発生した年の「元旦」の天気は?
2000年以降、エルニーニョ現象が冬にかけて発生していた年は2003年、2010年、2015年、2016年、2019年の5年になります。
この5年間の1月1日午前6時の天気をまとめてみました。
「元旦」も「元日」と天気傾向は大きく変わりません。
太平洋側の東京は晴れて、初日の出が見られる日が多くなっていますが、新潟や福岡はくもりとなり、雲間から日の出を見るような年が多くなっているようです。
ただ、詳細にみていくと、名古屋は2010年・2015年ともに雪が降っています。これはいずれも強い冬型になり、日本海側の雪雲が岐阜県関ケ原を抜け、名古屋付近に流れ込みました。
また、2003年は、東京で「くもり」となっていますが、そのあと午前中に積もるほどではないものの、雪が観測されました。原因は冬型の気圧配置がゆるみ、関東の付近に低気圧が発生したためでした。
【まとめ】どうなる2024年?
冒頭にも書いたように1月1日の朝の天気をズバリと言い当てることは難しいですが、エルニーニョ現象の発生している年は、例年通り、冬型になり、太平洋側の地域を中心に初日の出を見られることが多いといえそうです。
ただ、東京都心や名古屋など都市部でも、年によっては南岸低気圧が発生し、急な雪や雨となる可能性もあります。車や新幹線を使って帰省を予定している方は、時間に余裕を持つとともに、この時期からスタッドレスタイヤに履き替えるなど、雪道の備えをいまから行なっておくと良いでしょう。
<参考>
東京管区気象台「各気象台の天気出現率」
https://www.data.jma.go.jp/tokyo/shosai/chiiki/tenki/47662tokyo.html
大阪管区気象台「大阪の天気出現率」
https://www.jma-net.go.jp/osaka/kikou/tenki2/graph/osaka.html
福岡管区気象台「天気の出現率(九州・山口)」
https://www.jma-net.go.jp/fukuoka/chosa/tenki_syutugenritu.html
気象庁「エルニーニョ監視速報(No.374)」
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html
気象庁「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/data/elnino/learning/tenkou/nihon1.html
気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php