二十四節気「大雪」の意味
大雪(たいせつ)は、山ばかりでなく平地にも雪が降り積もる頃という意味で、これから本格的な冬が訪れます。気圧配置が西高東低の冬型となると、日本海側は雪の日が、太平洋側はカラッとした冬晴れの日が多くなります。
大雪の七十二候
・ 初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 12月7日~12月10日頃
天地の気が塞がって、冬が訪れるという意味で、日本海側では灰色の雲が空を覆うようになっていく時期です。冬は気温が低いため、雲が低い場所にできやすくなります。そのため、空が低く見えるようになり、どんよりとした印象を受けるようになります。
・ 次候:熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月11日〜12月15日頃
蟄(ちつ)はこもるという意味で、熊が冬眠のために巣穴にこもる頃です。熊の冬眠は、リスなどの小動物に比べて眠りが浅く、少しの物音でも目を覚ましてしまい、巣穴にこもっているだけのように見えることから、“冬ごもり”と呼ばれます。体温も大きくは下がらず、目覚めたらすぐに活動ができます。
冬ごもりをしているにもかかわらず“熊”は冬の季語です。
・ 末候:鱖魚群(さけのうおむらがる) 12月16日~12月20日頃
海で育った鮭が、産卵のために群れをつくって川を遡上する頃です。鮭は自分が生まれた川で産卵します。元の川に戻ってこられる理由は、においを覚えているからと考えられています。
鱖魚(けつぎょ)とは、本来は中国大陸などに生息するスズキ科の淡水魚ですが、日本にはいないため、生態の近い鮭をあてたと言われています。
この時期に使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、12月上旬~12月中旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。
① 大雪(たいせつ)の候
雪の降り積もる頃になりましたね~という意味です。
二十四節気の大雪から次の節気の冬至(とうじ)の前日まで使うことができます。
② 短日(たんじつ)の候
日暮れの早い季節になりましたね~という意味です。
冬至に近い12月中旬頃に使うとよい挨拶です。
③ 師走(しわす)の候
師走(12月の別名)となりましたね~という意味です。
12月上旬~中旬頃に使うことができ、12月下旬にはあまり使われません。
④ 寒冷(かんれい)の候
寒くて冷たい季節になりましたね~という意味です。
12月全般に使える便利な挨拶です。
⑤ 霜夜(しもよ)の候
夜に霜がおりるほど本格的な寒い時期となりましたね~という意味です。
こちらも12月全般に使える便利な挨拶です。
二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。