コートには、トレンチコートやレザーコート、ウールコート、ファーコート、ダウンコートなどさまざまな種類があります。素材や丈の長さ、衣服や小物との組み合わせによって保温性は大きく変わりますが、暖かいコートといえばダウンコートをイメージする方が多いのではないでしょうか。
このコラムでは、ダウンコートを着る目安の気温や選ぶポイント、お手入れ方法について、簡単に解説していきます!
ダウンコートを着る目安の気温とは?
一般にコートを着る目安は12℃以下と言われていて、10℃を下回るようになると秋物コートからウールコートなどの冬物コートに切り替えるようになります。冬物のコートでも、ウールコートは保温性がやや劣るため、5℃を下回るぐらいからは防寒性の高いダウンコートがおすすめです。
年によって気温の下がり方は違いますが、札幌・仙台・東京・大阪・福岡の5都市の寒候期(10~3月)における旬ごとの最高気温(1991-2020年の平年値)は、それぞれ以下の通りです。
札幌以外の都市では平年値が5℃を下回っていないものの、仙台は1シーズン中に5℃に届かない日はぼちぼちあります。また、東京や大阪、福岡でも過去には1日の最高気温が0℃未満の“真冬日”になったことがあり、ビル風が冷たかったり、海や川沿いも冷えやすかったりします。
最低気温でみた場合は、12月下旬~2月中旬は5都市すべてで5℃に届かず、札幌は11月下旬から氷点下となっています。日中はウールコートで十分でも、朝晩のお出かけにはダウンコートが活躍します。
機能的なダウンコートを選ぶポイント3選
ダウンコートは、丈が短いものや長いもの、金額が安いものから高いものなどさまざまです。今回は機能性に着目して、ダウンコートを選ぶポイントを3つ紹介します。
① 中に詰められている素材
ダウンコート選びで重要なのが、中に詰められている素材です。ダウンコートの中の詰め物は「ダウン」と「フェザー」、「中綿」に大きく分けられます。
・フェザー:水鳥の翼の部分の羽軸のある羽根で、弾力性が高い。ダウンより保温力は劣り、やや重い。
・中綿:ポリエステルなどの化学繊維で作られた綿で、保温力は劣るが水に強い。価格は低め。
ダウンの割合が多くなるほど軽くて暖かくなりますが、多すぎると形が崩れやすくなります。ダウン70~90%、フェザー10~30%ぐらいのものを選ぶとよいでしょう。
また、水鳥の種類は主に2つあり、「グース(がちょう)」と「ダック(あひる)」です。一般に、ダックよりグースの方が軽くて保温力が高く、価格は高めになります。
② フィルパワー
フィルパワー(FP)とは、羽毛のかさ高性を表す単位で、数値が大きいほど保温性に優れています。
日常で使うのであれば600フィルパワーぐらい、冬のアウトドアで使うのであれば700フィルパワー以上あるとよいでしょう。
③ 表面の素材
詰め物だけでなく、表面の素材も撥水性や耐久性を左右するため大事です。
よく使われる「ナイロン」は撥水性が高くて、摩擦にも強いため丈夫です。熱に弱く、色あせもしやすいのがデメリットです。
「ポリエステル」はシワや型崩れのおこりづらい素材で、乾きやすさも兼ね備えています。毛玉になりやすかったり、静電気が起きやすかったりするのがデメリットです。
ダウンコートのお手入れ方法
引用:消費者庁HP 「新しい洗濯表示」
日常的なお手入れとしては、洋服専用のブラシで表面の汚れをとり、濡れたらタオルで吹いてから陰干しをしてしっかり乾かすようにしてください。羽毛が出てきても抜かないようにしましょう。
洗濯は、洗濯表示を見て“洗濯機マーク”や“手洗いマーク”がついていれば、自宅で洗うこともできます。手洗いの場合は、ぬるま湯に入れて押し洗いをし、形を整えて日陰に干してください。表面の素材がレザーやシルクなど自宅で洗うのが難しかったり、高級なダウンだったりする場合は、クリーニングに出しましょう。
<参考・引用>
・消費者庁HP 「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html