二十四節気「小雪」の意味
小雪(しょうせつ)は、雪がちらつき始める頃という意味です。本格的な雪の訪れはまだ先ですが、北日本や日本海側を中心に時雨(しぐれ)の日が多くなります。日中も暖房が必要な寒さになり、そろそろ冬支度を始める頃です。
小雪の七十二候
・ 初候:虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日~11月26日頃
晩秋から冬にかけては、日差しが弱く、くもり空が多くなるため、虹を見る機会が少なくなります。“冬の虹”という季語があり、まったく出ないわけではありませんが、出てもすぐに消えてしまうことから、儚い美しさの象徴とされます。4月の清明の時期の七十二候、「虹始見(にじはじめてあらわる)」と対になっています。
・ 次候:朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日〜12月1日頃
冷たい北風が木の葉を落とす頃です。この時期に吹く風では“木枯らし”が有名です。東京地方と近畿地方で発表される”木枯らし1号”は冬の訪れを告げる風物詩で、西高東低の冬型の気圧配置の時に吹く最大風速8m/s以上の風です。期間や風向の条件は地方で異なり、東京地方では10月半ば~11月末、近畿地方は二十四節気の霜降(10月23日頃)~冬至(12月22日頃)です。
・ 末候:橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日~12月6日頃
橘とは、日本固有の柑橘類「ヤマトタチバナ(ニッポンタチバナ)」のことですが、昔は様々なミカン類の総称が「橘」だったようです。葉が枯れることのない常緑樹のため「永遠」の象徴とされ、不老不死の実として「日本書記」にも出てきます。
この時期に使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、11月中旬~12月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。
① 小雪(しょうせつ)の候
雪のちらつく寒い時期になりましたね~という意味です。
二十四節気の小雪から次の節気の大雪(たいせつ)の前日まで使うことができます。
② 初冬(しょとう)の候
冬のはじまる季節となりましたね~という意味です。
初冬とは、二十四節気の立冬(11月上旬)から大雪の前日までを指し、その間の約1か月に渡って使われる挨拶です。
③ 落葉(らくよう)の候
秋も終わり、落ち葉の舞う頃になりましたね~という意味です。
11月上旬から下旬頃にかけて使うことができます。
④ 向寒(こうかん)の候
日に日に寒さが厳しくなり、本格的な冬を迎える頃になりましたね~という意味です。
11月上旬から12月中旬頃にかけて使うことのできる、便利な挨拶です。
二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。