「霜降」とはどういう意味でどんな季節?【二十四節気・七十二候】

二十四節気「霜降」の意味

霜降(そうこう)は、朝晩の冷え込みが深まって、露から霜へと変わる頃という意味です。季節は秋真っただ中で木々の色づき始める頃ですが、霜降は秋を表す最後の節気で、暦の上ではもうすぐ秋の終わりを迎えます。

霜降の七十二候

・ 初候:霜始降(しもはじめてふる) 10月23日~10月27日頃

霜がおり始める頃です。霜は、大気中の水蒸気が地面や物体の表面などに凍ってできる氷の結晶です。霜がおりるのは、地面付近の気温が0℃以下になっている時です。天気予報で伝えられる予想気温は地上から1.5mの気温 ですので、他の気象条件にもよりますが、最低気温が4℃以下になると霜のおりる可能性が高まります。

・ 次候:霎時施(こさめときどきふる) 10月28日〜11月1日頃

晩秋の頃から初冬にかけて、日本海側の地域や京都盆地、長野県・岐阜県・福島県などの山間部では、晴れたかと思えば雨がサーッと降り、そしてまた晴れるという、変わりやすい天気になることがあります。この通り雨を「時雨(しぐれ)」といいます。しぐれる日は寒い日がほとんどで、雨に濡れると体があっという間に冷えてしまいます。

・ 末候:楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月2日~11月6日頃

楓(かえで)や蔦(つた)が色づき、紅葉が始まる頃という意味です。一般的には、葉が赤くても黄色くても「紅葉」と書きますが、本来は赤色に変わるのが「紅葉(こうよう)」で、黄色に変わるのが「黄葉(こうよう・おうよう)」です。
紅葉は、北から南へ、標高の高い所から低い所へ向かって進みます。急激に冷え込んだり、昼夜の気温差が大きかったりするほど、色づきがよくなります。一方、台風の影響を受けたり、秋雨が長引いたりすると、色づきはあまりよくありません。

この時期に使える時候の挨拶

時候の挨拶とは、手紙などの最初に書く季節を表す言葉や挨拶文です。
さまざまな表現がありますが、10月中旬~11月上旬にかけて、よく使われるものをいくつかご紹介します。

① 霜降(そうこう)の候
朝晩の冷え込みが厳しくなって、霜がおりるようになりましたね~という意味です。
二十四節気の霜降から次の節気の立冬(りっとう)の前日まで使うことができます。

② 晩秋(ばんしゅう)の候
秋も終わりの頃となりましたね~という意味です。
晩秋とは、二十四節気の寒露(10月上旬)と霜降を表す言葉ですので、寒露~立冬(11月上旬)の前日までに使われます。

③ 錦秋(きんしゅう)の候
木々が鮮やかに色づいて、紅葉の美しい頃になりましたね~という意味です。
10月~11月上旬の二十四節気・立冬の頃までに使うことができます。

④ 秋麗(しゅうれい)の候
秋らしい陽気が心地よい頃になりましたね~という意味で、10月全般に使うことができます。
11月になっても気持ちのよい陽気が続くことはありますが、立冬(11月上旬)以降は、暦の上で冬となるため、冬の時候の挨拶が使われます。

 

二十四節気や七十二候については、こちらのページでも解説しています。