なぜ秋に花粉症になるのか 原因や時期、対策を紹介

徐々に木々が色づき始めるこの時期。鼻や目がムズムズしてくる人もいると思います。そんな症状の原因となる秋の花粉症について、春の花粉症との違いやいつまで続くのかを説明していきます。

なぜ秋に花粉症が発症するのか?

秋に花粉症が発症する主な原因となるのは、樹木ではなく草花です。秋に飛散する花粉の主な原因としてブタクサやヨモギなどのキク科の草花があげられます。また、カモガヤなどのイネ科は春から秋にかけて飛散し、カナムグラと呼ばれるアサ科の植物も原因になります。

ブタクサの花粉は非常に軽く、風によって遠くまで運ばれるため、花粉症を持つ人にとっては避けがたいアレルゲンとなります。これらは市街地よりも河川敷や手入れのされない野原などで多くなります。カナムグラはジャパニーズポップとも呼ばれるつる草で、つるで増えるため、繁殖力が強いのが特徴です。
これらの植物が花粉を放出する時期は地域によって異なりますので、原因の花粉の飛散する時期を把握し、飛散時期に合わせて対策を行いましょう。

春の花粉症との違いは?

花粉症は春に発症することがよく知られていますが、秋にも花粉症の症状が現れる人もいます。秋の花粉症の特徴を説明していきます。
花粉の種類:
春に主に飛散する花粉はスギやヒノキなどの木の花粉ですが、秋の花粉症は主にブタクサなどの草花の花粉によって引き起こされます。
症状の種類:
春の花粉症では、鼻水やくしゃみ、鼻づまり、目のかゆみ、喉の痛みなどが一般的な症状として現れます。一方、秋の花粉症は目のかゆみや涙目、のどの痛み、皮膚のかゆみなどが主な特徴とされています。
花粉の飛散時期:
春の花粉症は、2月から5月頃にピークを迎えることが多いですが、秋の花粉症は主に9月から10月頃までがピークとなります。

どんな地域で多いのか、症状はいつまで続く?

秋の花粉症の代表例のブタクサについて見ていくと、地域ごとに飛散時期に特徴があります。

【ブタクサの飛散時期】
北海道:ほとんど生息していない
東北: 7月下旬~10月中旬
関東:7月中旬~10月頃までで、9月がピーク
東海:9月中旬~下旬
関西:8月下旬~10月中旬
九州:9月上旬~10月下旬

ブタクサの花粉の量は、関東や東北で特に飛散量が多くなっています。
そのほかの秋の花粉の時期については、下記のカレンダーを参考にしてみてください。

秋の花粉症の症状は、花粉の飛散量がピークに達する8月から10月頃まで続くことが多く、その後、気温が下がり花粉の飛散が減少すると、症状も緩和されていきます。

どんな対策をすればよいのか

それではどんな対策をとればよいのでしょうか。秋の花粉症の対策をご紹介します。出来ることから始めて、つらい症状を緩和させましょう!

①マスクの着用:
外出時にはマスクを着用することで、花粉の吸入を軽減できます。環境省の「花粉症環境保護マニュアル2022」では通常のマスクでも70%、花粉症用のマスクでは、84%の花粉を減少させる効果があったとする研究成果もあり、非常に有効です。
②メガネの着用:
通常のメガネでも眼に入る花粉の量を減らすことができます。環境省の同マニュアルでは、40%の軽減効果、花粉症用のメガネでは、その効果は65%にまでのびるとのことです。
③空気清浄機の利用:
室内の空気をきれいに保つために、空気清浄機を使うことで花粉を除去することができます。
④服装の工夫:
外出時は、ウールなどの花粉が付着しやすい衣類は避け、綿やポリエステルなど花粉が付着しにくい衣類を選びましょう。また、帽子をかぶることで、頭への花粉の付着を減らすことができます。
⑤窓を閉める:
花粉の飛散がピークの時期や風の強い日には窓を閉めて花粉の侵入を防ぎましょう。
⑥目薬や鼻スプレーの使用:
抗ヒスタミン薬や目薬、鼻スプレーなどで症状を緩和させることができます。
⑦アレルゲンに近づかない:
花粉症の原因となる植物が自宅周辺にあるかどうかを確認し、可能な限り近づかないように心掛けましょう。
⑧専門医に相談:
症状が辛い場合は、アレルギー検査を受けてアレルゲンを特定し、専門医に相談することが大切です。

正しい対策を行って辛い秋の花粉症を乗り越えましょう!

<参考>
環境省HP「花粉症環境保護マニュアル2022」:
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf
政府広報オンライン「花粉情報をチェックして早めの治療と日常生活の対策に役立てよう」:
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201102/2.html