うだるような暑さの日は、プールや水遊びに出かけて思いっきり楽しみたい季節ですね。ただ、水辺でも熱中症になってしまう事があります。今月は、プールや水遊び中でも熱中症が起こる理由と、熱中症の症状が見られた場合の対策を紹介します。
8月の天気の特徴 夏の高気圧に覆われ、猛烈な暑さに見舞われやすい
日本の南の海上に中心を持つ夏の高気圧に覆われるため、全国的に晴れる日が続きます。晴天が続くと気温が上昇し、最高気温が35℃以上の猛暑日となる日も多くなります。
さらに今年2023年は、中国大陸に中心を持つ高気圧も日本へ張り出し、日本付近はW高気圧に覆われる予想。毛布を2枚重ねしているイメージで、体温を上回るような危険な暑さに見舞われる可能性があります。
実は天気図だけをみて、暑くなるかどうか予想することができるんです。
どうやるかは簡単!天気図に「くじらの尻尾」があるかどうか、探してみて下さい!
上のイラストの天気図は、2023年7月12日9時の天気図です。この日は、日差しや暖かい風が流れ込んだ影響で、東京八王子で最高気温39.1℃を記録するなど、関東地方を中心に体温を上回るような暑さに見舞われました。天気図の等圧線に注目してみると、くじらの尻尾と胴体に見えてきませんか?
このような天気図は「くじらの尾型」と呼ばれていて、夏に暑さをもたらすと言われる典型的な天気図です。
一度くじらが現れると数日間居座る、つまり、暑さが続くため熱中症に厳重な警戒が必要なんです。
そらくらでは、8月1日に現在の天気図と予想天気図、当日の天気のポイントを確認できる専用ページをオープンしましたので、ぜひ、天気図にくじらがいないか確認して見て下さい!
そらくら天気図ページはこちら⇒https://sorakura.jp/chart/
高気圧に覆われ安定した天気の一方で、台風が発生すると、台風の移動を助ける上空の風がまだ北日本付近を流れているため、中々進路が定まらず迷走台風となってしまうことがあります。
プールや水遊び中でも熱中症が起こる3つの理由
水の中にいるため熱中症の心配はないと思われがちですが、屋外プールや水遊び中でも熱中症の危険があります。
熱中症になってしまう原因は、体温調整がうまくできなくなってしまい、身体に熱がこもってしまうためです。詳しくは、こちらの記事にまとめているので、参考にして下さい。
・熱中症の症状や対策は?熱中症警戒アラートとは?気象予報士が解説!
・【子育てコラム】医師監修!子供の熱中症の症状と対策は?
プールや水遊び中でも熱中症が起こる理由は3つあります。
理由1:水中でも汗をかき、かくれ脱水症状になってしまう
水の中でも実はたくさんの汗をかいています。発汗によって水分が失われていき、いつの間にか脱水を起こしていることがプールや水遊び中の熱中症の原因のひとつです。
環境省がまとめたレポートによると、水温が上がるにつれて、汗をかく量と脱水量が増加することが報告されています。
上のグラフは、ある高校水泳部の練習時の脱水量と飲水量・発汗量を、水温ごとにまとめたものです。縦軸は、体重1gごとの発汗量・飲水量・発汗量を表しています。
例えば、水温が約26℃の場合は、体重1kgあたり1時間で5gの発汗があり、3g水を飲んだため、脱水量は2gになります。小学1年生の平均体重がおよそ20㎏ですので、この体重で考えてみると、水温が約26℃の場合は1時間に40gの脱水、水温およそ31℃では80g脱水することになります。まったく水分を摂っていない場合は、さらに脱水量が増えてしまいます。
プールや水遊び中も、30分に1回を目安に水分を補給するようにしましょう。
理由2:日よけがない
屋外のプールや水遊びをするじゃぶじゃぶ池などは、日差しを遮る場所があまりありません。また、プールサイドはコンクリートのため照り返しによって、より体感気温が上がってしまいます。
理由3:水着では直射日光を遮る事ができない
水着では、身体へ直接降り注ぐ直射日光を遮ることができません。直接日差しが照りつけることでも、身体に熱がこもりやすくなってしまい、熱中症の危険が高まってしまいます。
可能であれば、ラッシュガードや帽子を被って体へ直接日差しが当たらないようにしましょう。
熱中症かも?と思った時の応急処置方法
もしご自身やお子さんなどまわりの人が熱中症にかかったかもしれないと思ったら、下記のアクションリストを参考に、ケアをしてみましょう。熱中症は、最初の対応が重要ですから、落ち着いて状況を確かめ、対処して見て下さい。
熱中症にかかったかもしれない場合は、「体を冷やすこと」と「水分を補給すること」の二つを同時に行うことが大切です。応急処置のポイントをまとめました。
ポイント① 体の冷やし方
こもっている熱を逃がすため、体の表面の近くに太い血管が通っている首のまわり・わきの下・太ももの付け根を冷やしましょう。冷やされた血液が体を巡り、効果的に体を冷やす事ができます。
冷やすものは、保冷剤か氷のうが良いでしょう。屋外で、冷やすものがない場合は、自動販売機などの冷えたペットボトルや缶が、保冷材の代わりとして使用できます。
おでこに貼る冷却シートは、熱を下げる効果がありませんが、気持ちよさそうであれば使用してみて下さい。
ポイント② 水分補給の仕方
大量に汗をかいている場合は、水分と塩分を同時に摂取できる経口補水液やスポーツドリンクを飲みましょう。
赤ちゃんの場合は、母乳やミルクを飲ませてあげて下さい。
幼児の場合は、いつも飲んでいる麦茶や乳幼児向けのイオン飲料がおススメです。
プールや水遊びをしている子供たちを見守る保護者も、熱中症の危険がありますから、帽子を被って、30分に1回は水分・塩分を補給し、一緒に夏を満喫なさって下さい。
<参考文献>
環境省 熱中症 環境保健マニュアル2022
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
文部科学省 令和3年度学校保健統計
https://www.mext.go.jp/content/20221125-mxt_chousa01-000023558.pdf