夏の雲の種類と特徴 入道雲やわた雲、危険をもたらす雲とは?

梅雨明けを目前に、いよいよ夏本番となりますね!
今日は、夏に見られやすい雲についてお話します。

積雲・・・通称「わた雲」

夏の雲といえば、青空にポコポコと浮かぶ白い雲ではないでしょうか。
雲は、大きく10種類に分けられますが、その中の「積雲」に分類されます。
わた菓子のようにモクモクとしていることから「わた雲」と呼ばれていて、高度2km付近までの比較的低い位置に現れます。

青空の晴れる日にも見られますが、だんだん雲が広がり大きくなると、荒天につながる恐れがあるため注意が必要です。

 

白い雲と灰色の雲があるのはなぜ?

白く明るい雲と灰色の暗い雲があるのはなぜでしょうか?
雲は、水の粒に太陽の光が反射することによって、白く見えます。分厚く発達した雲は、太陽の光が雲の中を通り抜ける間に散乱して弱まるため、光の反射量が少なくなり、黒っぽく見えます。
雨を降らせる雲の多くは、厚く黒っぽい雲です。

積乱雲・・・通称「入道雲」

夏は、地表付近の空気が暖められるため、地表と上空の気温差が大きくなり、上昇気流が起きやすくなります。この状態を、「大気の状態が不安定」と言います。
上昇した暖かい空気が上空の冷たい空気によって冷やされると、水蒸気が凝結し、雲が発生します。
これによって、積雲がモクモク大きくなったものが、「雄大積雲」や「積乱雲」です。「大入道」という妖怪に似ていることから、「入道雲」と呼ばれています。
蒸し暑い夏の午後に、急な雨をもたらすのがこの積乱雲です。

雲の高さは10kmを超えることもあり、圏界面(雲の発達できる上端)付近まで達して、水平に広がったものを「かなとこ雲」と言います。

水平方向の広がりは数km〜十数kmで、局地的な範囲に限られます。

急な雷雨に注意?

青空に浮かぶ入道雲は夏を象徴する雲とも言えますが、その入道雲の下では、落雷やひょう、竜巻などの激しい気象現象の発生する可能性が高くなっています。
積乱雲は、30分〜1時間程度でどんどん成長するため、夏は急な激しい雨や落雷に注意が必要です。
天気予報で「大気の状態が不安定」と言う言葉を聞く際は、積乱雲が発達しやすく突然の雨や落雷が発生しやすい条件です。

夏休みで海や山、川へのレジャーの計画を立てている方も多いと思います。
雷鳴や稲光がしたら雷雲が迫ってきているサインですから、頑丈な建物の中に避難して身の安全を確保しましょう。

また、春の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

春の雲の種類と特徴!見分け方を画像付きでご紹介

秋の雲の種類と特徴はこちらの記事で紹介しています。

空のきれいな季節!秋の雲の種類と特徴

〈参考資料〉
気象庁「気象観測の手引き」第11章 雲
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf