今日7月17日は海の日です。毎年7月第3月曜日は海の日となりますが、海水浴を思い浮かべる時期となってきましたね。今年は海水浴にいつ頃行くか検討したり、水着や浮き輪など買い揃えたいものを考えたり、夏特有のワクワクが溢れ始めてきているのではないでしょうか？
さて、楽しみが募る一方で、毎年テレビやラジオのニュースでは、海水浴における事故を見聞きすることがあるかと思います。海でのトラブルや事故は稀なことかもしれませんが、いざ遭遇してしまうとパニックになってしまう可能性があります。注意事項や対策を軽く確認しておくだけでも、いざというときに役立つことがあるかもしれません。
このコラムでは、気象の観点から注意事項をいくつかピックアップして紹介していきます。
事前準備が大切！天気予報を見よう！
海水浴に行く日が晴れているのかどうかは、最も気になりますよね？
テレビやラジオで気象情報を確認されることはとても大切です！そらくらでは翌日の天気のまとめを夕方頃に日々更新しています。気象庁でも5時・11時・17時にそれぞれ天気予報を更新されているため、これらの気象情報をうまく活用していただくと良いでしょう。
また、晴れていても、入道雲のようなモクモクとした雲が近づいてくると、急な強い雨や落雷、突風の発生する可能性があります。天気の急変が起きそうな時に海に入っている場合、落雷や突風が起きると危険です。天気が急変しそうだなと感じた場合は、すぐに海の家や宿泊中のホテルのほか、窓を閉めた車に一時的に乗り込むなど、安全な屋内に避難しましょう！
陸から海へ吹く風には気をつけよう！
浮き輪に乗った子どもが風に流されて、あれよあれよと沖合に流されてしまう場合があります。海で泳ぐ時には、風の吹く方向にも注意が必要です。
一般的に海岸で吹く風は、海から陸へ吹く風（海風）と陸から海へ吹く風（陸風）の2種類あります。注意すべきは陸風、と覚えておきましょう！
気圧配置や寒冷前線が通過によっても風向きに特徴があります。例えば、低気圧は反時計回りの風の流れ、高気圧は時計回りの風の流れがあります。また、寒冷前線が通過した後は北寄りの風に変わりやすく、太平洋側の地域では、陸から海へ吹く風になる場合があります。
天気が回復しても風向に注意が必要です。
高い波や波の流れる方向に気をつけよう！
予報の波の高さって？有義波高を知ろう！
天気予報で波の高さを目にすることありますよね！実は予報で用いられる波の高さは「有義波高（ゆうぎはこう）」を対象としている事が多いです。
有義波高とは、一定時間ある地点で観測される波の高さを高さ順に並べ替えて、上位1/3を平均した値のことを言います。
観測された1つ1つの波の中には、平均値よりも高い波が含まれています。統計的には、有義波高より1.5倍から2倍の高さを持つ波が含まれる可能性があります。
予報で確認した波の高さよりも高い波がやってくることもある、ということを覚えておいてください！
戻り流れ
傾斜の大きい砂浜は戻り流れに注意する必要があります。波が砂浜を勢いよく駆け上がり、沖へ戻ろうと自然に下っていく流れを戻り流れと呼びます。砂浜に向かってくる波が高く、勢いが強い場合、戻り流れもまた強くなります。戻り流れが強い場合は、大人でも簡単に転倒させてしまい、沖へと流されてしまう可能性があります。
インターネットでも「戻り流れ」の動画がありますので、この機会に見てみるのも良いかもしれません。
離岸流：ポイントは海岸線と平行に泳ぐこと！
「離岸流」（海上保安庁）
(https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htm)を拡大加工
波は通常、海岸に向かってくる流れ（向岸流）と沖合に向かってくる流れ（離岸流）があります。気づかない内に離岸流に巻き込まれると、泳ぎが得意な人でさえも容易に沖へと運ばれてしまいます。離岸流は海岸線が長い所や人工構造物の近い所で発生しやすいです。なるべくこのような場所や周りに人の気配がないような場所で泳ぐのは避けたほうがよいでしょう。万が一、離岸流に巻き込まれてしまった際は、海岸線と平行に泳ぐことで、向岸流の流れに到達することができます。
離岸流についても海上保安庁のホームページに詳しい注意事項が掲載されているため、興味のある方は、下記の参考サイトを確認しておくと安心です。
このコラムで紹介したこと以外にも注意すべきことがまだまだ尽きないのが海の怖い所です。当日は楽しいイベントとなるように海水浴の予定を立てたら、必要な物の準備に加え、是非注意事項についても事前に確認してみてください！
＜参考＞
気象庁：波浪の知識
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/wave/comment/elmknwl.html
海上保安庁：海で遊ぶときの注意
https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/swimming/02_attention/
＜出典＞
海上保安庁：離岸流
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htm
