熱中症の症状や対策は?熱中症警戒アラートとは?気象予報士が解説!

今年2023年の夏は暑くなるのでしょうか?6月20日に気象庁が発表した最新の3か月予報では、この先9月にかけて気温は、東日本で平年並か平年より高く、西日本と沖縄は高いと予想されていて、体温を上回る暑さや残暑が予想されています。暑くなって注意したいのが熱中症です。そこで、この記事では熱中症やその対策について紹介していきます。

熱中症の症状は?原因も解説

熱中症とは、高温多湿な環境に長い時間いることで、体内に熱がこもり、体温調節機能が上手く働かなくなって、頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす病気のことです。熱中症の症状には以下が挙げられます。

それでは、熱中症はどのような時に起こるのでしょうか?原因としては、気象的な要因と行動にあります。気象的な要因としては、気温や湿度が高く、風が弱く、日差しが強いなどの状況が挙げられます。また、熱中症になりやすい行動としては、長時間の屋外作業や激しい運動、水分補給ができないといった状況があります。また、意外なことに、消防庁のまとめによると、令和4年に熱中症によって搬送された発生場所は、およそ4割が屋内ということです。このような気象的な要因と行動が重なることで、身体に熱が溜まって体温が上昇し、熱中症を引き起こします。

WBGTや熱中症警戒アラートについて

熱中症を予防することを目的として「WBGT」や「熱中症警戒アラート」があります。WBGTはWet Bulb Globe Temperatureの略で、暑さ指数と呼ばれています。単位は気温と同じ摂氏(℃)で表記されますが、気温とは違います。WBGTは「湿度」、「日射などの周辺の熱環境」、「気温」を考慮した値となっています。WBGTに応じた日常生活や運動に関する指針をまとめました(日常生活は日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)を、運動は日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)を参考にまとめています)。

また、熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、注意を呼び掛けるものです。熱中症警戒アラートはWBGT(暑さ指数)を用いており、WBGTが33以上と予測された場合に発表されます。WBGTの値や予想最高気温だけでなく、取るべき熱中症の予防行動も発表されます。

熱中症の対策方法とは?

WBGTが高く、熱中症の危険性が高まると予想される場合は、どのような対策を行えばよいのでしょうか?具体的な方法は以下にまとめました。

また、体調の悪い時は熱中症になりやすいです。体調が少しでも良くないと感じた際は、屋外での運動や作業は控えて、身体を休めることも大切です。さらに、体温の調節能力が十分でない子どもや、65歳以上の高齢者も注意が必要です。

ここまで、熱中症の症状とWBGTや熱中症警戒アラート、熱中症の対策について解説しました。今年の夏も暑くなる予想なので、熱中対策を万全にして下さいね。

 

参考

環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php

環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症警戒アラートとは
https://www.wbgt.env.go.jp/about_alert.php

環境省 熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイト
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/index.html

総務省消防庁「令和4年(5月から9月)熱中症による救急搬送状況」
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r4/heatstroke_geppou_202205-09.pdf